現在公開中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』より、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)のメインキャストが登壇する公開記念舞台挨拶が5日、丸の内TOEIで開催された。

この日イベントに参加したのは、コウ/リュウソウレッド役の一ノ瀬颯、メルト/リュウソウブルー役の綱啓永、アスナ/リュウソウピンク役の尾碕真花、トワ/リュウソウグリーン役の小原唯和、バンバ/リュウソウブラック役の岸田タツヤ、カナロ/リュウソウゴールド役の兵頭巧海、そしてナダ役の長田成哉の7人。新型コロナウイルス感染拡大防止のためファイナルライブツアー(FLT)が全公演中止となるなど、ファンたちの前になかなか立つことができなかった彼らだが、当日は駆け付けたファンが座る客席の隅々まで目を配り、手を振る姿が印象的だった。

コウに自らの思いを託したナダを演じた長田は登場するや、「マックスリュウソウチェンジャー役の長田成哉です」と、劇中での展開に絡めたあいさつで笑いを取る。「FLTができなくなってしまって、このまま終わっちゃうのかなと思っていたんですけれど、こういう機会を設けてもらってありがたいです。いつでもナダになれるように髪を伸ばしていました」と明るく語った。

映画は、TVシリーズ32話と33話をつなぐ物語で、ナダの知られざる物語を描いたエピソードとなる。コウの捨て身の救出作戦でガイソーグの怨念から解放されたナダ。映画では、その直後のナダを知ることができる。長田は、「みんなに解放してもらってからナダがどうなったのかという部分はいままで想像でしかありませんでした。その想像していた部分を補填してもらえた感じでしっくりきました」と振り返った。

思い出のエピソードをフリップとともに紹介するコーナーでは、長田は「6人の後ろ姿です。これを見れたのは僕だけだと思う。最後の最後の瞬間だったんですけど、役者人生に残る景色でした」とコメント。映画先行カットでは6人に加えてナダも並んだ7人の後ろ姿も公開されており、大きな話題となった。

叡智の騎士・リュウソウブルー役でありながら、明るいムードメーカーの愛されキャラ・綱は、「メンバーと久々に会うのが楽しみでした。でも、久しぶりとは思えないくらい変わらない。それだけ1年間やっていたんだなって」と、駆け抜けた濃い1年に思いを馳せた。撮影でも、衣裳を着てほどなく「当時の感じがよみがえってきてすぐに戻れた」という。

そして、思い出を書くフリップでは、ともにリュウソウブルーを作り上げたスーツアクターの高田将司を挙げ、お互いに強いリュウソウブルー愛をもってキャラクターを作り上げていたことを明かした。

アスナを演じた尾碕は、「『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』の発表は、新戦隊の『機界戦隊ゼンカイジャー』が発表されている時期だったので、どう思われるかなと思ったけど、喜んでもらえてうれしかった」とリュウソウファンの応援に感謝した。

撮影中の思い出では、第18話「大ピンチ!変身不能!」でのワイズルー戦を挙げ、「アクションが難しくて、実は隠れて泣いていたんです。私のせいでミスみたいになることがあって、それが悔しくて。でもタツ兄(岸田タツヤ)に見つかって、サラッとバラされました(笑)」と振り返った。

最年少ながら、放送当時からしっかりしたコメントで周囲に頼りにされていた小原は、「映画は15分だから短いという声も多かったけど、かえって『これ以上見れなかった』という声もあるほど濃い内容になっている」と、その魅力を的確に表現。

撮影では、「実は、劇中で食べている肉まんがめちゃめちゃ冷たかったんです。当日は朝早くて寒くて、温かい肉まんを楽しみにしてたんですけど……。そんななかでも、イチちゃん(尾碕真花)が『肉まん2個ください』と提案していて、1年経ってもちゃんとアスナになっているなって感心しました」と明かした。

現場で"タツ兄"とメンバーから慕われ、引っ張ってきた岸田は、「この映画は本当にリュウソウジャーファンに向けた作品。リュウソウジャーを一年にわたって見てくれたファンのための映画です」と感謝を伝えた。「(リュウソウジャーの)なんでもない日常を描くようなものをやりたいという風には思っていて、それがこれしかないという形でエピソードになっていた。『VS』とはまた違った形で出していただけて、すごくうれしかった」と、さまざまな思いを抱いた作品になったようだ。

追加戦士・リュウソウゴールドとして途中から参戦したカナロ役の兵頭は、イベントでメンバーそれぞれのコメントをフォローしていく献身的な姿が印象に残った。「キャストやスタッフ、みんなの気持ちが詰まった映画。みなさんにも届いたかな」と思いがあふれた兵頭。映画では、「(上映時間は短いけど)僕の婚活シーンはちゃんとあるんだなって。けっこう尺があるんですよ」と、ファン期待のカナロぶりは健在のようだ。

撮影当時を振り返り、兵頭は「初変身で、カメラの中にソウルをうまく収められなかったんです。一回OKになったのですが、くやしくて全部のシーンが終わったあとに監督にお願いしてもう一度やらせていただきました。そんなふうに役者の気持ちを汲んでやらせていただける現場ってなかなかない」と、熱く語った。

1年にわたり「リュウソウジャー」のレッドとして表に立ち続けた一ノ瀬は、撮影開始時よりもずっとりりしく自信にあふれた表情で登壇。映画では「最初はすごく早口だったんです。みんなそれぞれが詰め込もうとしていて」と、キャストの気概があふれる現場だったという。TVシリーズの32話と33話は、「みんなで一つになったと感じた回だったので、深堀りしてもらえてうれしかった」と振り返った。

不器用ながらも素直に自分の気持ちを伝えようとする一ノ瀬。そして、そんな一ノ瀬をメンバーが信頼して支え、温かく励ます姿に、リュウソウジャーらしい絆が感じられた舞台挨拶だった。

イベントでは変身ポーズと名乗りも披露され、客席からは大きな拍手が贈られた。

『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』は、『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!』と公開中。

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