『仮面ライダージオウ』(18~19)でドラマ初出演にして初主演を果たした俳優の奥野壮。その後、さまざまな作品で俳優として経験を重ねており、26日には『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』が公開、さらに、主演映画『灰色の壁~歯車~』も待機中だ。俳優デビューして2年半となるが、彼はこれまでの現場で何を学び、どんな教訓を経てきたのか、話を聞いた。

  • 奥野壮

2017年に「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞と明色美顔ボーイ賞をW受賞し、この世界に入った奥野。「昔はまったく俳優業に興味がなかった」と打ち明け、「ただ、僕はもともとクラシックバレエをやっていて、人前で何かを表現することが好きだったので、そういう意味でお芝居にも、似たような点を感じたのだと思います。お芝居をすることは、すぐ好きになりましたが、最初は、めちゃくちゃ舐めていたと思います」と笑う。

そして、デビュー直後は「本当に調子に乗っていました」と告白。「オーディションを経て、『仮面ライダージオウ』に選ばれたので、浮き足立っていて、自分はできる子だと思い込んでいたんです。お芝居なんてもっと簡単なものだと思っていたら、全然そんなことはなくて。本当にバカでした」と振り返った。

自分のふがいなさを嘆いたのは、『仮面ライダージオウ』の第1話を観たとき。「自分はこんなに演技が下手くそだったのか! と絶望しました(苦笑)。現場ではちゃんとできていると思っていたのですが、自分を客観視するのはすごく難しくて。初めて1話を観た時、本当にマズイと思い、めちゃくちゃ焦りました。その日から心を改めて、もっとこうしよう、ああしようと、考えるようになりました」と、一つの転機となった。

だからこそ、『仮面ライダージオウ』への感謝の気持ちは大きい。「映像のなかの自分が、思い描いた理想とかけ離れすぎていてびっくりしました。それは今も現在進行形ですが、そんなふうに改心する機会を与えてくれたのが『仮面ライダージオウ』だったので、自分としては非常に良い経験をさせてもらったと感謝しています」

そのあと、ほかのドラマや映画にも出演している奥野だが、「早いうちに気づけて良かったと思います。今は、自分がどういう話し方をしていて、どんな点がダメなのか、どうしたら自分の嫌なところが直せるのかを考えるようになりました。お芝居のことでは、監督に聞くこともあります」と謙虚に努力を重ねている。