BL漫画を実写ドラマ化し、配信ドラマとして異例の大ヒットを記録した『ポルノグラファー』シリーズ。最終章となる『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』が、26日より公開される。主演の竹財輝之助と猪塚健太は、繊細な感情表現や激しいラブシーンにもトライ。原作の世界観を壊すことなく実写化すべく「限界まで攻める」という制作陣の覚悟に見事に応え、原作ファンからも熱い支持を集めた。作り手とファンの“愛の結晶”ともいえるシリーズが完成し、「奇跡のよう」と声をそろえる竹財と猪塚に、『ポルノグラファー』への想いやラブシーン秘話を語ってもらった。
全3部作となる『ポルノグラファー』シリーズは、純情な大学生の久住春彦(猪塚)と嘘つきな官能小説家・木島理生(竹財)との純愛ラブストーリー。最終章となる本作では、1作目で描かれた木島と久住が、互いを想いながらもすれ違い、2人の未来について葛藤する姿を描く。
動画配信サービスFODでドラマ版の配信がスタートしたのが、2018年7月。「続きも実写化してほしい」というファンの声に背中を押されながら、2作目の「インディゴの気分』、そして本作の実写化がかなったが、最終章までたどり着いたことに、竹財は「ここまで来ちゃいました」とにっこり。
「1作目を撮影しているときには、ここまで来られるとは想像もしていませんでした。僕自身、原作に描かれていることはすべてやりたいと思っていましたし、制作陣の方々の『限界まで攻めてください』という言葉もよく覚えています。その想いが、ファンの方々の心に刺さってくれたのかもしれません」と語り、「配信ドラマがDVD化されたこと、そして映画化がかなったのも、すごいこと。すべてファンの方たちの声や支えがあったからこそ。とてもうれしいです」と喜びをかみ締める。
猪塚も「役者として、こんなに光栄なことはない」としみじみ。「ファンの方々の熱い想いがとても大きくて、その熱量があったからこそ、ここまでたどり着けました。こうして完結することができて、ファンの方々にも喜んでもらって、僕ら役者も幸せな想いをさせてもらっている。いいことばかりですよね! 本当にうれしいです」と笑顔がこぼれる。
BL作品に携わるのは、初めてだったという竹財。シリーズのオファーを受けた当初の心境について、「最初は抵抗がありました。BL作品をやったこともありませんでしたし、男性を好きになったこともありませんでしたので、『どうしたらいいんだろう』と迷ったというか……」と素直な胸の内を吐露。「でも三木(康一郎)監督とご一緒できるなら、絶対に面白いものができると思ってお受けしました。今振り返ると、本当にやってよかったなと思います」と思い切って飛び込んだという。
一方の猪塚は「僕は、戸惑いも抵抗もまったくなかった」という。激しい性描写も伴う作品だが、「なにかと制限の多い時代。そんな中、作り手側が“限界まで”という気持ちでいてくれるということは、役者としては大きな喜びです。“もっとやりたかった”という気持ちで終わるより、“好きなだけ使ってください”という気持ちで臨んで、思い切りできたことが本当にうれしい」と目尻を下げ、「やれるところまでやってやろうという気持ちでした」と振り返る。