最初は戸惑ったものの「本当にやってよかった」という竹財。それは「猪塚健太という役者と出会えたこと。それが一番の喜び」と明言する。猪塚が「なんとうれしいことを!」と恐縮する中、「猪塚くんは、その存在自体が春彦役にぴったりだった」と惚れ惚れ。
「木島は何重にも殻をかぶっているような人で、とても異質な人。独特の雰囲気や、間の取り方があるので、その分『相手の役者さんは、芝居をやりづらいだろうな』と思っていたんです。でも猪塚くんは、その独特の間にも付き合ってくれて、僕を自由に演じさせてくれた。包容力と言っていいのかもしれません。“待つ芝居”というのは結構難しいもので、僕が気持ち悪い間を作ったりすると、どうしてもアクションを起こしたくなってしまう人もいると思うんです。猪塚くんが春彦を演じてくれたからこそ、僕は木島を作り上げることができた」
「本シリーズがファンの方に受け入れられたのも、猪塚くんという役者の存在が一番大きいと思います」と竹財が続けると、「いやいや!」と照れ笑いを見せつつ、「ここ太字で!」とお茶目に話した猪塚。彼は「竹財さんご本人と木島は、正反対の人だと思います。竹財さんは、あんなにこじらせている方ではないですから(笑)! もっとさっぱりとしていて男らしい方だけれど、メガネをかけて木島の格好になると、途端にしっとりとした雰囲気になる。すごいです」と竹財の俳優力を実感。
続けて「竹財さんご自身にも男、そして人間としての色気があるので、竹財さんが演じる木島を見ていれば、僕は自然と春彦になれました。竹財さんの色気って、思わず見惚れてしまうようなものがあって。だからこそ、春彦が木島を好きになっていく過程も演じることができた」と、お互いへの信頼と安心感があってこそ、作り上げられた恋人たちだという。
劇場版では、「自分に自信がない」という木島が、その臆病さゆえに、久住との関係をこじらせていく。2人の愛がより深まっていることが感じられるが、今回お互いのキャラクターにキュンとするポイントとしておすすめしたいのは、どんな点だろうか?
竹財は「春彦のオス味。今回はオス味がかなり出ていましたね!」と楽しそう。猪塚は「浮気もせずに、頑張っていますから!」と春彦の気持ちになって語り、「木島先生のキュンポイントは、最後の寝顔でしょうか。弱い部分もさらけ出してくれて、キュンとしました」と微笑んでいた。