パン・パシフィック・ホールディングスが運営するドン・キホーテは、自社プライベートブランド(以下PB)「情熱価格」のリニューアルを行う。2月24日に行われた発表会では、ユーザーを求めるものを具現化し、期待に応える「ピープルブランド」として成長したいと意欲を見せた。

また、同日にユーザーからのダメ出しを募集する特設サイト「ダメ出しの殿堂」も開設した。

  • 発表会に登壇した、高橋英樹氏(中央左)、高橋真麻氏(中央右)、同社PB事業戦略本部 本部長 森谷健史氏(右)

12年目を迎えるドン・キホーテ自社PBの課題とは?

発表会は、異例の"お詫び"から始まった。「情熱価格」は2009年の誕生から12年、約3,900アイテムを展開しているシリーズだが、同社代表取締役社長CEO 吉田直樹氏は「お客様のために! と安さを追いも求めた結果、面白みに欠けるものを作ってしまっていた」と反省する。

  • ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・ホールディングス 代表取締役社長CEO 吉田直樹氏

今回の刷新にあたり、安さをベースに「ドン・キホーテらしさ」であるワクワク・ドキドキを感じてもらいたいという。従来の「プライベートブランド」から、ユーザーの意見を取り入れ一緒に作っていく「ピープルブランド」へ変革する。

「安いのは当たり前、思わず手に取りたくなる"驚きのニュース"がない商品は発売しません。商品の特徴はもちろん、短所があれば正直にさらけ出しますし、『ダメ出し』も大歓迎。この状況のなか、せめて普段のお買い物はワクワクして欲しい。商品開発にも、安全対策にも、ありったけの情熱を注いでいきます」と吉田氏は熱く語った。

新ブランドライン「ありえ値ぇ情熱価格」

リニューアル後は商品のパッケージデザインも大きく変わる。ロゴは「ドン・キホーテ」のロゴの頭文字「ド」の字を大きくあしらったものに変更する。同社PB事業戦略本部 本部長 森谷健史氏は「強いインパクトのあるロゴで、よりドン・キホーテのPBだと認識してもらいたい。大きな『ド』は『度』を超えた情熱を持って商品を開発したという意思を表しています。また、グループの海外店舗での展開も見据え、英字表記の『JONETZ』も組み込んでいます」と刷新の狙いを話す。

さらに、特に自信を持って伝えたいフラッグシップ商品は、新ブランドライン「ありえ値ぇ情熱価格」として展開。テキストと写真を大胆に使ったパッケージで、商品の特徴を直球で伝える。

ダメ出しプラットフォーム「ダメ出しの殿堂」もオープン

ブランド刷新にともない、気軽に「情熱価格」へのダメ出しが投稿できるWebサイト「ダメ出しの殿堂」もオープン。ユーザーの率直な意見を取り入れ、"最驚(驚きのニュース)"を生み続ける共創サイクルを実現するためのプラットフォームと位置付ける。

  • ダメ出し募集サイト「ダメ出しの殿堂」

今回の発表会では、高橋英樹さん(左)・高橋真麻さん(右)親子が出席、実際に新商品「ミックスナッツ」に「私は味が薄い方が好きだけど、人によっては塩味がちょっと足りないなと思うかも……」(真麻さん)「ナッツの産地はどこ?」(英樹さん)と容赦ないダメ出しをして、PB企画開発に携わる担当者がタジタジになる場面も。

  • 「ダメ出しの殿堂」に投稿する高橋英樹さん

「ダメ出しの殿堂」に寄せられたコメントは、今後の商品開発の参考にしていくという。「これからも驚きのニュースを、お客様に伝わるよう尽力します。これからの情熱価格にご期待ください。英樹さん、真麻さんには、リニューアルした商品でリベンジさせてほしい」とPB企画開発部 フード・リカー責任者 亀岡利真氏は宣言した。