「禍福は糾える縄の如し」という言葉の意味をご存じですか?

書籍等で見た経験があるという方もいるかと思いますが、詳しい意味まではよくわからない――という方は多いのではないでしょうか。

本記事では、「禍福は糾える縄の如し」という言葉の意味や使い方、例文・類語を紹介します。

語彙力の向上は、雑談力やコミュニケーション力の向上につながります。正しい言葉の意味を理解し、ビジネスシーンや日常生活で使えるようにしましょう。

  • ノートパソコンを見ながら会話をしている人

    「禍福は糾える縄の如し」をビジネスに活かしましょう

「禍福は糾える縄の如し」の意味

「禍福は糾える縄の如し」とは、「幸福と不幸は交互にやってくるものだ」という意味の故事成語です。読み方は「かふくはあざなえるなわのごとし」。

不幸で悲しみ嘆いていてもいつの間にか幸福になったり、逆に幸福な状態に甘んじていたらまた不幸になったりする――という様子を、紐をより合わせて作られる「縄」のようだ、と表現している言葉です。

よく、似た意味を持つ「(人間万事)塞翁が馬」という言葉と合わせて説明されます。

「禍福」と「糾える」の意味

「禍福」とは「かふく」と読み、災難と幸福、不運と幸運、災いと幸いの意味があります。

「糾える」は「あざなえる」と読み、紐や縄などがより合わさった状態や、交互に絡ませた状態を指す言葉です。

如し(ごとし)とは「~のようだ」を意味するので、3つを合わせて表現すると「良い事と悪い事は、より合わせた縄のように交互にやってくる」という意味になります。

「禍福は糾える縄の如し」の由来

「禍福は糾える縄の如し」の元になっているのは、前漢の司馬遷がまとめた歴史書『史記』の一節です。

白文では「因禍爲福。成敗之轉、譬若糾墨」と書き、「禍(わざわい)に因(よ)りて福(ふく)と為す。成敗(せいはい)の転ずること、譬(たと)えば糾(あざな)える墨(ぼく)のごとし」と読みます(※)。

(※)
・成敗 : 成功と失敗のこと
・糾える : 縄をより合わせること
・墨 : 墨つぼにつけた糸(墨縄)のこと

  • ミーティングをしている人たち

    「禍福は糾える縄の如し」の意味を知りましょう

「禍福は糾える縄の如し」の使い方

「禍福は糾える縄の如し」は、不幸と幸福が交互にやってくる意味で座右の銘にしている方も多い言葉です。良い時は油断せずに自分を戒め、悪い時も未来に希望を持てるよう援護する時などに使えます。

ここからは、「禍福は糾える縄の如し」の具体的な使い方を紹介しますので、使い方の参考にしましょう。

順調な時に自分を戒める場合

幸福の中にいて、物事がうまく行っている時こそ油断せず、調子に乗り過ぎて道を誤らないよう自分を戒める言葉としての使用法です。

順調な時に冷静に行動できれば、失敗を未然に防ぐ事にもつながるでしょう。

<例文>

  • 禍福は糾える縄の如しと言うから、大きな契約が取れても努力を怠ってはならない
  • 禍福は糾える縄の如しだから、調子に乗って無駄遣いせずに経費を節約しよう

気持ちを前向きにする場合

落ちこみや悲しみの中にいる時の気持ちを、前向きにする言葉としての使用法です。

仕事で思わぬ失敗をしてしまった時や、頑張ったのに全然評価されない時など、嫌な出来事が重なった時は、前向きに考えてみましょう。

<例文>

  • 禍福は糾える縄の如しだから、状況が良くなり世が落ち着く日はきっと来る
  • 禍福は糾える縄の如しと言うし、この失敗から得たものは多い
  • 人混みの中にいる人

    「禍福は糾える縄の如し」の使い方を学びましょう

「禍福は糾える縄の如し」の類語

「禍福は糾える縄の如し」には、意味が似ている言葉や言い換えが可能な言葉がいくつかあります。類語も覚えておけば、さらに会話の引き出しが増えますので、場面によって使い分けてみましょう。

(人間万事)塞翁が馬

「(人間万事)塞翁が馬」とは、人生でいつ幸福が訪れいつ不幸が襲い掛かって来るかわからないという意味です。

幸せが不幸に変わる事もあれば、不幸と思っていたら幸せに転じる事もあります。つまり、予測できない幸せや不幸を、手放しで喜んだり悲しみに浸り過ぎたりするべきではないという教えと言えます。

<例文>

  • 評価の低さは気にしない方が良い、人間万事塞翁が馬だよ
  • 人間万事塞翁が馬と言うから、順調な今こそ気を引き締めなさい

「塞翁が馬」という言葉の意味は、この記事でくわしく説明しています。

「塞翁が馬」ってどういう意味? 使い方や由来、例文も紹介

「塞翁が馬」は、「人生の禍福は転々として予測できない」ことのたとえとして使われます。もっと砕けた表現にすると、人生は何が起こるかわからないから予測できない、という意味です。「塞翁が馬」は中国の哲学書『淮南子(えなんじ)』に――…
続きを読む

沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり

「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」とは、長い人生のうちには良い時もあれば悪い時もあるけれど、それらがずっと続くわけではないという意味です。

<例文>

  • 沈む瀬あれば浮かぶ瀬ありと言うから、辛い状況になったがこれ以上落ちる事はない
  • 沈む瀬あれが浮かぶ瀬ありだから、今業績が良いからと言って手を抜いてはならない

楽は苦の種苦は楽の種

「楽は苦の種苦は楽の種」とは、楽と苦は背中合わせであり、今の苦労は後の楽につながっているという意味です。

この言葉における「種」は「元」を意味しているため、楽は苦の元であり苦は楽の元とも言えます。楽な状態に甘んじず、やがて来る苦に備えれば、苦しくても将来の楽につながると考えましょう。

<例文>

  • 楽は苦の種苦は楽の種だから、今辛くても頑張って乗り越えよう
  • 楽は苦の種苦は楽の種と言うから、勉強を怠らないで精進しよう
  • 標高の高いところから風景を眺めている人

    「禍福は糾える縄の如し」の類語を知りましょう

「禍福は糾える縄の如し」の英語表現

  • Good luck and bad luck alternate.
    幸運と不運は交互に起こる。

***

古くから使われて来た「禍福は糾える縄の如し」という言葉。意味を理解し、語源や由来についても知ることで、ちょっとした会話のネタになるかもしれません。

類語や例文も参考にしながら、さまざまな使い方をしてみましょう。