夏場はエアコンと一緒に扇風機を使うと効率がいいと言われていますが、扇風機も家電なので電気代がかかってしまいます。扇風機の電気代がどの程度なのか、わからずに使っている人も多いでしょう。ここでは、扇風機の使用で発生する電気代の目安を紹介します。

  • 扇風機の電気代は1カ月でどの程度かかる?

    扇風機の電気代の目安や扇風機の電気代を判断する方法などを紹介します

扇風機の電気代は1カ月でどの程度かかる?

扇風機にかかる電気代の目安を判断するには、モーターの種類を確認すると便利です。扇風機は一般的に、DCモーター機種とACモーター機種とに大別できます。それぞれの特徴をみていきましょう。

■DCモーター機種

DCモーター機種は、近年の扇風機に多い機種です。DC電流とは直流電流のことで、常に電圧が一定で、一方向にしか電流が流れません。低速回転でも送風できることから風量を細かく調整でき、体にかかる負担を減らしながら送風できます。

DCモーターの場合消費電力は1.5~20ワット程度であり、1時間あたりの電気代は0.04~0.54円程度です。一日12時間、30日使用すると、電気代は14.4~194.4円程度となります。

■ACモーター機種

ACモーター機種は昔の機種に多い方式で、交流電流式です。弱・中・強の3段階のみなど、風量設定の種類が少ない場合が多いですが、本体価格はDCモーター機種に比べると抑えられています。

ACモーター機種の場合消費電力は10~37ワット程度であり、1時間あたりの電気代は約0.27~1.00円と、DCモーター機種に比べると電気代の負担は大きいです。一日12時間、30日使用すると、電気代は97.2~359.64円程度となります。

■サーキュレーター

扇風機と似たような用途で使われるサーキュレーター(送風機)は、基本的な構造は扇風機とほぼ同じですが、さまざまな角度に向けて送風できる機器です。

サーキュレーターの最大消費電力は、約21ワット程度。1時間あたりの電気代は約0.57円です。一日12時間、30日使用すると、電気代は205.2円程度となります。

  • 扇風機の電気代は1カ月でどの程度かかる?

    扇風機の1カ月あたりの電気代は数百円程度です

扇風機の電気代を判断するには?

扇風機の電気代がどの程度かかるのかを見極めるには、扇風機の消費電力を確認しましょう。また、電力会社のプランによっても、電気代は左右されます。

ワット数に左右される

扇風機の使用に必要な電気代は、ワット数によって変動します。全国家庭電気製品公正取引協議会によって、家電使用にかかる電気代は1kWhあたり27円(税込)とされていますので、それをもとに算出できます。

例えば、消費電力が10ワットの扇風機を一日12時間、30日使用した場合、1時間の電気代は約0.27円、1カ月で97.2円程度です。

契約している電力会社のプランによって単価が異なる

1kWhあたり27円(税込)という家電使用にかかる電気代はあくまで目安であり、契約している電力会社のプランによって変動します。

例えば、東京電力のスマートライフSで電気代を契約している場合、深夜1時から6時の間の電力量料金は17.78円/kWhです。10Wの扇風機を使用した場合、1時間の電気代は約0.18円程度となります。

つまり電力量料金が低い電気プランを契約している人ほど、電気代も低いです。

  • 扇風機の電気代を判断するには?

    扇風機の電気代はワット数や電力会社のプランによって変動します

扇風機とエアコンの電気代比較

扇風機とエアコンの使用にかかる電気代を比較していきましょう。

エアコンの電気代

エアコンの消費電力は冷房能力により異なります。冷房期間の消費電力量は約150~250kWhですので、電気代は1kWhあたり27円(税込)として計算すると、1時間あたりの電気代は4.05~6.75円程度です。

エアコンの電気代は下がっている

エアコンをはじめ家電の省エネルギー性能は年々上がっており、エアコンの電気代は年々減少傾向にあります。

2010年と2020年の期間消費電力量(冷房と暖房を使ってエアコンを通年で運転するときに使う電気量)を比較すると、872kWhから808kWhまで減少。電気代の単価が異なるものの、消費電力量が10%近く下がっていることから、電気代の負担も少なくなっていると考えられます。

扇風機の電気代の方が安い

エアコンの電気代は1kWhあたり27円(税込)として計算した場合、1時間あたりの電気代は4.05~6.75円程度。一方扇風機の場合は1時間あたり0.04~1.00円程度です。エアコンの電気代に比べて扇風機の電気代の方が安いことがわかります。

  • 扇風機とエアコンの電気代比較

    エアコンの電気代は下がっていますが扇風機の電気代の方が安いです

扇風機を使って電気代を節約する方法

扇風機をうまく活用すると、電気代の節約につながります。扇風機を使って電気代を節約するにはどうすればいいのかを紹介します。

(1)DCモーター扇風機を選ぶ

主に古い機種で採用されているACモーターは、DCモーターに比べると本体の費用は抑えられているものの消費電力が多いです。

できるだけ電気代を抑えたいのであれば、消費電力が低いDCモーター扇風機を選びましょう。状況に応じて風量の調節も自在にできるので、コストがかかりにくいです。

(2)エアコンと併用する

エアコンの設定温度を低くすればするほど電気代が上がってしまいます。エアコンと扇風機を併用すれば部屋の空気が循環しますので、部屋全体の温度差が少なくなり、設定温度を1~2度高くしても快適です。

併用したら電気代が安くなったというデータもありますので、エアコンの使用時には扇風機と併用するのがおすすめです。

(3)家の中の熱い場所に扇風機を置く

エアコンを使っても、部屋の中にはなかなか温度が下がらない場所もあります。その場所は空気の循環がよくない可能性がありますので、扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させましょう。効率よく冷やせますので、電気代を抑えられます。

  • 扇風機を使って電気代を節約する方法

    扇風機をうまく使うと電気代を節約できます

扇風機の電気代は安い! エアコンと併用して快適に過ごそう

扇風機の電気代は1時間あたり0.04~1.00円程度。エアコンの電気代4.05~6.75円程度ですので、扇風機の電気代がかなり低いことがわかります。

古い機種ではACモーターが採用されていましたが、新しい扇風機にはDCモーター機種が多いです。DCモーター機種の方が消費電力が少ないうえ、低速回転でも送風できるなど風量を細かく調整でき、体にかかる負担が少なくすみます。また、同じ機能を持つサーキュレーターを活用する人も多いです。

暑い日にはエアコンと扇風機を併用することで、節電効果が高くなります。また、電気代を抑えるためには自分の使用電力量に合うプランに変更することなども必要です。夏場に少しでも電気代を抑えるためにも、扇風機を活用していきましょう。