SquareとMMD研究所は2月8日、「実店舗オーナーによる運営店舗のキャッシュレス決済利用動向調査」の結果を発表した。調査は1月23日~24日、決済サービスの導入決定権を持つ20歳~69歳の会社経営者もしくは自営業者1,000名を対象にインターネットで行われた。

  • キャッシュレス決済の導入状況

    キャッシュレス決済の導入状況

はじめに、店舗オーナーとしてではなく、消費者としてのキャッシュレス決済の利用状況について調べたところ、77.0%が「キャッシュレス決済を利用している」と回答。

そこで、現金のみ対応の店舗で来店をやめたことがあるか聞いたところ、一般のキャッシュレス利用者は31.5%が「ある」と回答したのに対し、店舗オーナーをしているキャッシュレス利用者は20.4%が「ある」と回答。また、キャッシュレス決済の導入状況でお店選びをしたことが「ある」という人の割合は、一般のキャッシュレス利用者が37.7%、店舗オーナーをしているキャッシュレス利用者は31.1%という結果に。

さらに、キャッシュレス決済に対応していない店舗は古いと思うか聞いたところ、一般のキャッシュレス利用者50.7%が「(やや)あてはまる」と回答したのに対し、店舗オーナーをしているキャッシュレス利用者は39.5%。前回調査と比べると、いずれも店舗オーナーをしているキャッシュレス利用者の方が数値が低く、一般の消費者に比べてキャッシュレス決済意識が低いことがわかった。

  • 消費者調査データを見る前と後のキャッシュレス決済の導入・継続意向

    消費者調査データを見る前と後のキャッシュレス決済の導入・継続意向

決済サービスの導入決定権を持っている現金決済のみ対応店舗のオーナー500名を対象に、キャッシュレス決済の導入について、「キャッシュレス決済が利用できなかったため、店舗への来店をやめた経験があるキャッシュレス決済利用者は31.5%」という調査結果を見る前の気持ちと、見た後の気持ちをそれぞれ聞いたところ、見る前よりも見た後は「導入を検討しようと思う」や「導入検討を迷う」が12.8ポイント増加。

一方、決済サービスの導入決定権を持っているキャッシュレス決済導入店舗のオーナー500名に同様の質問をしたところ、調査結果を見る前よりも、見た後の方が「継続利用意向」が2.8ポイント、「継続を迷う」が3.4ポイント増加した。

  • キャッシュレス決済を導入した理由

    キャッシュレス決済を導入した理由

続いて、キャッシュレス決済導入店舗のオーナーに、キャッシュレス決済を導入した理由を聞いたところ、「キャッシュレス・消費者還元事業に対応したかったから」(29.9%)、「キャッシュレス対応していないことによる機会損失を減らしたいから」(28.6%)、「キャッシュレス決済に対応することで、新しい顧客層の開拓ができると思ったから」(26.5%)が上位に。そこで、キャッシュレス決済を導入する前後で客単価が変化したか聞いたところ、17.2%が「客単価が上がった」と回答した。

一方、現金決済のみ対応店舗のオーナーがキャッシュレス決済を導入しない理由を聞くと、「初期導入費用や各種手数料が高いから」(44.4%)が最も多く、次いで「キャッシュレス決済利用者が少ないと思うから」(37.6%)、「客数・客単価が上がるとは思えないから」(37.1%)と続いた。

  • キャッシュレス決済を導入後に感じた不満点

    キャッシュレス決済を導入後に感じた不満点

次に、キャッシュレス決済の手数料や管理費についてどのようなイメージを持っているか聞いたところ、「決済代金の銀行口座振込にかかる振込手数料が高い」「決済額に対してかかる決済手数料と、決済1件ごとにかかる決済手数料がわかりにくい」「決済手数料の仕組みが複雑」など、全7項目において、「そう思う」と回答した割合が約3割という結果に。店舗オーナーの約3割が、振込手数料や管理費に不満を持っていることがわかった。

そこで、キャッシュレス決済導入店舗のオーナーを対象に、キャッシュレス決済を導入後に感じた不満点を聞いたところ、「導入費用や月々の手数料の支払いがある」(27.8%)、「入金までに時間がかかる」(27.2%)、「金額をミスした際、修正するのが面倒」(17.0%)が上位にあがった。