映画『ヤクザと家族 The Family』(1月29日公開)の初日舞台挨拶が29日に都内で行われ、綾野剛、磯村勇斗、小宮山莉渚、舘ひろし、藤井道人監督が登場した。

  • 左から小宮山莉渚、磯村勇斗、綾野剛、舘ひろし、藤井道人監督

    左から小宮山莉渚、磯村勇斗、綾野剛、舘ひろし、藤井道人監督

本作は、ヤクザという生き方を選んだ男の、3つの時代にわたる壮大なヒューマンストーリー。自暴自棄になっていたとき、地元のヤクザの親分から手を差し伸べてもらったことで心の救いを得て父子の契りを結ぶ少年期。時は移り、ヤクザとして名を上げていく男にも愛する自分の家族ができる。一方、暴力団対策法の施行はヤクザの有り様を一変させた。男の選んだ生き方は様々な矛盾を起こし始め、組の存続を巡る因縁の敵との戦いの中、ヤクザであることを貫くことは、一方でかけがえのないものを失うという状況を突きつけられていくが……。

綾野は舘との共演について「映画にしてもドラマにしても情報過多になっている。セリフで解決しなきゃいけないことが多い中で、舘さんのお背中というのは、しゃべらなくとも佇まいで物語がある。自分たちが忘れていたことで、そういうのとても大事だなって素直に思いましたし、磯村くんも継承しているような気がするんですよね」と語る。「今日着ているスーツは舘さんが元々着ていたスーツを僕がいただきまして。そういう意味でも継承している」と、作品のテーマに絡めて明かした。

スーツについて、舘は「ある番組でそういうことになりまして、『もらってくれる?』と言ったら、もらっていただいたんです」と説明し、綾野は「半ば強引に、僕たちが欲しい欲しいと言って」と苦笑する。舘は「僕が着ているより全然かっこいいので、返してほしいくらいです」と周囲を笑わせた。

この日は、26日に誕生日を迎えた綾野のサプライズバースデーも。流れてくる低音のバースデーソングに「なんか重くない!?」とつっこむ綾野だったが、登場した「39 GO」という花を見て嬉しそうな様子。舘は「おめでとうございます。39歳、やりたい放題だね、今。いいなあ。本当に今回はありがとうございました。綾野くんに引っ張られてこの映画ができてる気がします。これからも何かありましたぜひ使ってやってください」と祝い、その謙虚な言葉に綾野は「おかしいですよね!?」と恐縮する。「めちゃくちゃ嬉しいです。ライブ配信でカメラの向こうの皆さんにも落ち着きがない姿を見られてるのは恥ずかしいですけど、素直に嬉しい。こんなことに時間を使わせてしまってすいません」と感謝した。

最後に綾野は「『花束みたいな恋をした』も、『名も無き世界のエンドロール』も公開され、なんとか今、いろんな作品が手と手を合わせて皆さんのお心を華やかにできるようなエンターテインメント、心の疲弊を少しでも止められるような映画を届けたいと思っています」と、同日公開の他作品にも触れる。「その思いを汲んでくださり、本当に心から感謝申し上げます。いつか許された日が来た時には、自分から皆さんに会いに行きます。その日を楽しみにしておりますので、ぜひ待っていてください」とメッセージを送った。