いろいろと考えながら作り込んでいる高橋だが、本番では「人に嫌われていたい」という信念のみを意識。これは、『先生を消す方程式。』で共演した山田裕貴からのアドバイスを生かしたものだそうで、「芝居経験が少なく、どういった役作りが自分に合っているのかまだわかっていないので、刀矢のときに全部考え尽くして演じていたら、山田裕貴さんが『考えすぎるより、ひとつ信念を持って人として生きていたほうがリアルでいい』とおっしゃっていて、二階堂も日常から作っていますが、本番になったら全部忘れてその信念だけを大切にしていきたいと思っています」と説明した。

髪型に関しては、原作に寄せて短くするのだろうと予想していた高橋だが、塚原あゆ子監督から「長いのもいいね」と言われ、襟足を切るだけに。気味悪い感じを漫画では縦線を引いて表現しているが、実写では線は描けない。高橋自身も「髪が長いほうが暗く見えて二階堂らしいと思いますし、目にかかっているほうが暗いお芝居はやりやすい」としっくり感じているそうで、「実写化だからこそ生み出された二階堂の姿。“二階堂明 高橋文哉バージョン”になっています」を笑顔でアピールした。

原作は、林を中心に描かれた4編と二階堂の物語4編をあわせた全8編構成となっているが、ドラマは、出会わなかったそれぞれの登場人物たちの運命が交差する形で物語を再構成し、林と二階堂がすれ違うシーンも登場。ドラマならではの展開に、「脚本を読んで、2人が一緒の空間にいるというのは、僕自身も『おぉ!』ってテンションが上がりました」と、高橋自身も興奮したという。

また、林役の大西について「きれいな顔をされているなと。すごく気さくでありながらもしっかりされていて、かわいらしさとしっかりしている部分の両方がある方だなと思いました」と印象を述べ、「大西さんの林役は、めちゃめちゃ合っていると思いました」と太鼓判を押した。

TBS系ドラマ『MIU404』『アンナチュラル』『中学聖日記』など、数々のヒット作を生み出してきた塚原監督の現場というのも、高橋にとって大きな経験になっているようで、「塚原監督は『二階堂はこういう気持ちで…』などと明確に提案してくださるので、すごくわかりやすいですし、僕が気づけなかった二階堂の一面を教えてくださることもあるので、役作りの参考にさせていただいています」と語る。

そして、「二階堂の良さをすべて出して、二階堂の魅力やかわいさなども、僕が演じるからこそ出していきたい」と高橋。二階堂役で俳優としてどう成長したいか自身への期待を尋ねると、「お芝居がうまくなりたいです。塚原監督のもとでお芝居をさせていただいているので、素直に感じたままお芝居をして、自分にも素直に向き合い、少しでも納得できるお芝居ができるようになれたら」と役者としての成長を願った。

■高橋文哉(たかはし・ふみや)
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。『仮面ライダーゼロワン』(19~20)で、主人公の飛電或人/仮面ライダーゼロワン役を務める。そのほか、映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』(19)、『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』(19)、『劇場版 仮面ライダーゼロワン』(20)、ドラマ『先生を消す方程式。』(20)に出演。現在放送中のドラマ特区『夢中さ、きみに。』(MBS 毎週木曜24:59~ほか)に二階堂明役で出演している。自身初の1st写真集「架け橋」(ワニブックス )が発売中。