オープンテキストは1月19日、「情報過多時代におけるリモートワークに関する実態調査」の結果を発表した。

同調査は、リモートワークに関して、働き方の変化や課題を明らかにすることを目的として、同社が本社を置くカナダに加え、日本と欧州4カ国(イギリス、フランス、ドイツ、スペイン)で、それぞれ2,000人を対象に実施したもの。

それによると、各国との比較を通して「情報過多」と「リモートワークにおけるEメールやコンテンツへのアクセス/共有」に対する課題が、日本のオフィスワーカーの生産性とストレスレベルに影響を与えており、日本は他の調査国と比べて、リモートワーク環境において「適切なデジタルツールが備わっていない」と感じていることが明らかになったという。

長期的に自宅で仕事をする際に挙げられた課題について、他のすべての調査国では「モチベーションの維持」が最も多かったのに対し、日本では「Eメール、ファイルシステムや文書、コンテンツへのアクセス、社内情報の共有」が53.5%と最多で、他の調査国と比べて3倍以上の高い数値であったという。

ファイル共有に関しては、仕事用のアプリケーションやツールが普及している一方で、回答者の3人に1人以上(37.5%)がGoogleドライブやDropboxなどの「個人用ファイル共有システムを利用している」ことを認めており、これは他国と比べて高い割合となっており、企業内の情報が容易に社外に持ち出されている実態が明らかとなった。

さらに日本では「リモート環境で効率的に仕事をするためのデジタルツールが備わっていない」と回答した割合が51.3%(カナダ33%、欧州38.8%)と調査国の中でも最も高かったという。

日本人の回答者のおよそ半分(52.5%)が、電子メールやSNSなど「毎日チェックする情報源がこの5年間で増加している」と回答し、71.4%が「日常的に1~10個のアプリケーションを利用」し、37.3%は「パスワードが多すぎて覚えきれない」という点にストレスを抱えているという。パスワードに対するストレスは、欧州平均(14%)やカナダ(16%)と比べて2倍以上となっている。

また、仕事やプライベートで受け取る情報について、「多くて複雑化している」(24.8%)または「現状より質の高い情報源が必要だと思う」(33.1%)と回答し、それぞれカナダより3倍も高い結果となった。

業務に必要なファイルや情報の検索にかかる時間について、「10秒以内」と答えた割合が8.5%と他の調査国(カナダ25%、欧州22%)と比較してもっとも低く、5人に1人以上(27.9%)が「1〜5分かかっている」と回答するなど、情報へのアクセス速度が日本人オフィスワーカーの生産性に影響していると、オープンテキストはみている。