常に複数の仕事を同時進行で動かしていると、中にはなかなか進まない仕事も出てくるはずです。「どうしようか……」などと思案していたら、メールやチャットで上司から「捗っているか」と聞かれた経験がある人もいることでしょう。

ところでこの「捗」という文字、ネットや文章ではよく見かけるものの、読み方や意味を知らないままスルーしている人もいるかもしれません。もし知らないまま使っていると、恥ずかしい思いをする可能性もあります。

この記事では「捗る」の意味や語源、類義語や対義語について解説します。読めない漢字を少しでも減らしたいという人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

  • 捗るの意味や類義語を紹介します

    捗るの意味や類義語を紹介します

捗るの意味

捗るとは「はかどる」と読みます。「仕事が順調に進む」「進捗する」といった意味を持つ言葉です。

オンライン上ではガジェットやアプリ、家電など、何かと便利であり、快適であるという意味で「捗る」がネットスラングのように使われる機会もしばしばあります。その場合の使い方は「いろいろと捗るぞ」といった言い回しです。

「捗」は常用漢字ではありますが、右側の「歩」の部分は右端の点がありません。手書きする際は気を付けて使用しましょう。

捗るの語源

捗るの語源は、平安時代に使われていた言葉「はかがいく」にあるとしている説があります。この「はか」には「捗」「計」「果」などの漢字があてられ、米などの収穫予想量を指していました。また、「量」とも書き、これには田の区画という意味があり、「量が行く」は、田植えや稲刈りの分担範囲のことを言っていました。それが転じて、目標や進捗具合を言うようになったとされています。

もともと平安時代に使われていた中央語でもあったため、地方へ伝わるうちに「が」が抜けた「はかいく」という方言として残っている地域もあります。

捗るの類義語

捗ると同じような意味を持つ言葉はいろいろとあります。これらの類語も覚え、時と場合に合わせて別の言い方を使ってみると表現も豊かになります。ビジネスシーンやアルバイトでも、「捗る」以外での言い換えを覚えておいて損はないでしょう。

■芳しい

「かんばしい」と読み、これだけでは「よい香り」を意味する言葉です。しかし、打ち消しの語を伴うことにより、「好ましくない」という意味を持ちます。

「芳しい結果を得られなかった」

「進捗が芳しくない」

といったように使います。

■進捗

「しんちょく」と読み、物事がどれほど進んでいるかを表す意味を持ちます。進捗の「ちょく」は捗の音読みで、「進捗」という語を単体で使用することもありますが、「進捗状況」「進捗管理」「進捗率」のように、連語表現の中で使用されることも多くあります。

■効率がよい

「効率がよい」は、労力に対して成果が大きい場合に使われる言葉です。

読書効率がよい

勉強効率がよい

などの使い方をします。

また、電化製品や電子機器などの機械などで仕事量に対して消費したエネルギー量が少ない場合にも使われます。

■捗々しい

「はかばかしい」と読み、「物事が望み通りに進むさま」「仕事が順調に進むさま」を意味します。捗るとほぼ同義でありますが、捗々しいは、打ち消しの語を伴って使用することが多く、「捗々しくない」「捗々しい〇〇ではなかった」のような表現に使われます。

  • 捗るの類義語も知りましょう

    捗るの類義語も知っておきましょう

捗るの対義語

捗るの対義語にも、さまざまな表現があります。「芳しい」「捗々しい」も打ち消しの語を伴って使用する場合は、反対の意味の言葉になります。

ここでは、打ち消しの語を伴わずに反対の意味になる表現を紹介します。

■膠着

「こうちゃく」と読みます。粘りついて、しっかりとくっついたまま離れないことを表す表現ですが、ある状態が固定されて、ほとんど動きが無くなることを意味します。

会議中に一切話が進まなくなったときなどは「会議が膠着する」と表現できます。小説作品などでは、警察の捜査が進展しなかった場合などに「捜査は膠着したままだ」などと表現されることもあります。

■滞る

「とどこおる」と読み、「物事が順調に進まない」「つかえる」「金銭の支払いを滞納する」「流れが止まる」「ためらう」などを意味します。

順調であることを表す「捗る」とは反対の意味を持ちますが、これも打ち消しの語を伴って「滞りなく返済した」「滞りなく作業は終わった」などとすれば、「つかえなかった」「進んだ」という意味になります。

捗るを正しく使えるようになろう

「捗る」は順調に仕事が進むことや、便利で快適であることを表現するネットスラングとして使われる言葉でもあることを解説いたしました。

また、類義語の中には、打ち消しの語を伴って反対語として使用する言葉もあります。シーンに応じて使い分けることによって語彙を増やせばコミュニケーションも幅が広がります。正しい使い方と意味を覚えて、コミュニケーションに活かしていきましょう。