――映画ゲスト・仮面ライダーエデン/エスを演じる伊藤英明さんとご一緒されたときのお話を聞かせてください。

伊藤さんとお会いする前は、テレビや映画でいろいろな役柄を演じられたイメージがあって、怖くてカタい方なのかな……なんて思っていたのですが、ぜんぜん違っていて、とても話しやすく、優しい方でしたね。何よりも『仮面ライダーゼロワン』をとても愛してくださっているのがうれしかったです。僕を見たとたん「あっ、或人だ!」って言ってくれたんです。僕は「あっ、伊藤英明さんだ!」って感覚なのに(笑)。そして、イベント情報とかフィギュアの発売情報に詳しくて、伊藤さんから聞いて初めて「そんなフィギュアが今度出るんですか!」って驚いたくらいです。

伊藤さんとはすごく近い距離で対峙するシーンがあったんですが、そのときの"圧"がすごかったんです。アニメみたいに、伊藤さんから"紫のオーラ"が出ているんじゃないかっていうくらい(笑)、向き合っているだけで伊藤さんから物理的な"力"が出ているかのような感覚がありました。さすがにテストのときは僕がビビってしまって、杉原監督から「或人ビビってるね」なんて言われたりしました。イズの鶴嶋乃愛さんも側で見ていて「ヤバイよね」って心配してくれるんですけど、でも「任せてくれ!」と自分を奮い立たせつつ、本番では全力を出してぶつからせていただきました。伊藤さんも僕の芝居を受け止めてくださって、すごくいいシーンが生まれたんじゃないかって思います。

――或人が出会った謎の女性・遠野朱音を演じる山崎紘菜さんの印象はいかがでしたか。

山崎さんも以前からテレビドラマなどでよく存じ上げている方でしたので、共演できたのはうれしかったです。或人と朱音が2人でいるシーンが多く、待ち時間などでお芝居についていろいろ聞かせていただきました。映画の中で或人はエスと朱音の両方に向き合うため、エスに見せる顔、朱音に見せる顔に変化をつけるよう意識して演じました。

――映画でここに注目してほしいという、見どころポイントをお願いします。

こんどの映画は、テレビシリーズ最終回から「3か月」が過ぎた世界が舞台となっています。この3か月のうちに、何があったんだと思うくらいに或人が"成長"していますので、或人のひとつひとつの言動や、細かな表情の変化といったお芝居のところを見ていただけたらうれしいです。映画の進行と現実時間がシンクロしているような設定で、これ本当に終われるの? と心配になるくらい、最後の1分までストーリーが続きますので、約80分の上映時間があっという間に感じられると思います。とても情報量が多い作品なので、1度とは言わず2度、3度ご覧になって、楽しんでいただきたいですね。『ゼロワン』キャスト・スタッフの集大成であり、完結編となる映画。どのように『ゼロワン』が"終わる"かをしっかり観ていただいて、同時上映の『仮面ライダーセイバー』へとバトンを渡すことができれば、と思っています。

――今回で『ゼロワン』の物語は一区切りとなるようですが、もしも将来「或人の物語」が描かれるとしたら、高橋さんとしては「何年後」の或人を演じてみたいですか。

「10年後」がいいですね。或人は22歳の設定だから、10年後なら32歳。僕自身も29歳になっているので、10年経って俳優経験を積んでいれば、みなさんに或人の良さをもっと伝えることができるんじゃないかって思うんです。それができれば役者として、すごく幸せなことだなと思います。

10年後、時代はもう「令和ライダー」だよねって言われているところに、僕が飛電或人/仮面ライダーゼロワンとして出られたら最高です。そのとき「あの高橋文哉がゼロワンとして帰ってくる!」みたいに「あの」って言われたいですね(笑)。その時が来るまで絶対役者をやり続けます。頑張ります!

――魅力的なキャラクターが多く登場した『仮面ライダーゼロワン』の"スピンオフ"作品として、高橋さんが"主役"に推すとしたらどなたがいいですか?

児嶋一哉さん(飛電インテリジェンス副社長・福添准役)です。先日(10月18日)の『仮面ライダーゼロワン』ファイナルステージ・番組キャストトークショーでも児嶋さんは「ライダーに変身したかった」とおっしゃっていましたし、僕たちもどこかでその姿を見たかったですから(笑)。ぜひ福添准が変身した「仮面ライダー准」のスピンオフ作品を作ってほしいです。「仮面ライダー大嶋」が強化フォームになったら「仮面ライダー児嶋」になる っていうアイデアもいいですね。「仮面ライダー大嶋……児嶋だよ!」って。この話でしたら、あと30分はずっと語っていられますよ(笑)。

(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映