作詞家で作家のなかにし礼(本名:中西禮三)さんが、23日に心筋梗塞のため都内の病院で亡くなったことが25日、所属事務所の発表により分かった。82歳だった。
通夜・葬儀は家族葬にて執り行い、「お別れの会」は新型コロナウイルス感染症の感染状況を見ながら、後日開く予定。
なかにしさんは、大学在学中よりシャンソンの訳詩を手掛け、「知りたくないの」(64年)のヒットを機に作詞家となる。その後もヒットメーカーとして活躍を続け「今日でお別れ」(67年)、「心のこり」(75年)、「石狩挽歌」(75年)、「時には娼婦のように」(78年)、「北酒場」(82年)など、約4000曲の作品を生み出した。日本レコード大賞を3回、同作詩賞を2回、ゴールデンアロー賞など、多数の受賞歴を誇る。
作家活動としては、『長崎ぶらぶら節』(99年)で第122回直木賞を受賞、『赤い月』(01年)は100万部に迫るロングセラーで映画化され、『てるてる坊主の照子さん』(02年)は『てるてる家族』としてNHK連続テレビ小説で放送。
近年も、2017年10月から開始されたサンデー毎日にてエッセイ「夢よりもなお狂おしく」の連載や、氷川きよし「母」(20年)の作詞など、各方面で活躍していた。