現在7勝1敗で首位の山崎八段と7勝2敗で2番手の永瀬王座による対局

第79期順位戦B級1組10回戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)が12月24日に東西の将棋会館で一斉に行われています。全13回戦のB級1組はいよいよ佳境を迎えています。10回戦の注目局は、何といっても▲永瀬拓矢王座-△山崎隆之八段戦の首位攻防戦でしょう。

10回戦の対戦カードは以下の通りです。深浦康市九段は抜け番となります。

▲永瀬拓矢王座(7勝2敗)-△山崎隆之八段(7勝1敗)
▲千田翔太七段(4勝4敗)-△郷田真隆九段(6勝2敗)
▲久保利明九段(3勝5敗)-△近藤誠也七段(5勝3敗)
▲行方尚史九段(2勝6敗)-△木村一基九段(4勝4敗)
▲松尾 歩八段(4勝4敗)-△屋敷伸之九段(3勝6敗)
▲阿久津主税八段(4勝4敗)-△丸山忠久九段(3勝6敗)

7勝を挙げている永瀬王座と山崎八段はここで直接対決です。過去の直接対決は永瀬王座の6勝1敗。初対決で山崎八段が勝った後は、永瀬王座が6連勝しています。順位戦では前期のB級1組で対戦していて、132手で永瀬王座が勝利しました。

山崎八段は今期が13期目のB級1組。過去の最高成績は71、73、75期で挙げた8勝4敗。最も昇級に近づいたのは75期で、最終局の阿久津八段戦に勝利していれば昇級でした。10回戦を1敗で迎えたのは今期が初めて。昇級のビッグチャンスを迎えています。

永瀬王座は2期目のB級1組。前期は開幕3連敗で苦しい出だしだったものの、最終的には7勝5敗の勝ち越しという成績でフィニッシュ。今期昇級争いをしている棋士の中では、最も順位が上となっています。

山崎八段、永瀬王座以外に昇級の可能性があると言えそうなのは、6勝2敗の郷田九段と5勝3敗の近藤七段まででしょうか。上位勢が崩れれば、順位が1位の木村九段にも目が出てきそう。しかし、木村九段はすでに上位勢との直接対決をすべて終えてしまっているため厳しい情勢でしょう。

8回戦の勝利が公式戦通算900勝目のメモリアルとなった郷田九段。最終局の13回戦で山崎八段との直接対決があり、山崎八段よりも順位が上のため、昇級への自力です。今期からB級1組に初参加の近藤七段は順位が最下位のため、昇級にはもう1敗も許されないでしょう。

勝者がA級にグッと近づく大一番。勝つのは山崎八段(左)か、永瀬王座か
勝者がA級にグッと近づく大一番。勝つのは山崎八段(左)か、永瀬王座か