女優の杉咲花が主演を務めるNHK連続テレビ小説『おちょやん』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。このたび、ヒロイン・竹井千代の憧れの女優・高城百合子役を演じている井川遥が、本作への意気込みや役作りについて語った。

  • 『おちょやん』高城百合子役の井川遥

井川は、『純情きらり』(2006)、『半分、青い。』(2018)に続き、3度目の朝ドラ出演。「多くの方の生活の中にある“朝ドラ”に出演できるのはやはり特別な喜びがあります。勇気やひたむきさ、主人公の生き方に見ている私たちが背中を押される。“朝ドラ”にはそんな魅力がありますよね。そして出演した時は必ず“杏姉ちゃん”“ひしもっちゃん”とその役名で呼ばれるのもうれしいんです」と特別な喜びを明かし、「お話をいただいて今回は人の何倍もの濃い人生を歩んだ女性を演じるので私自身がタフでエネルギッシュでなければと思いました」と話した。

井川が演じる百合子は、千代が道頓堀の芝居小屋で目撃して以来、憧れ続けるスター女優。その美貌と情熱的な演技で観客を魅了し、芸術のために自由な人生を突き進む姿に、千代は大きな影響を受ける。

井川は「千代が憧れるスター女優。この時代に女性が社会進出をして芝居の道に進むのはいばらの道だったと思いますが、力強く切り開いていく新しい女性です。百合子は自分のやり方にまったく迷いがない。私自身はいつもこれでいいんだろうかと考えてしまう方なので、対局にあるような気がしますね」と自身と比較しながら百合子のキャラクターを解説。「時代の変化や弾圧など様々な時代背景の中で、臆することなく突き進み命がけで生きる姿は本当に驚くばかりです。千代もそのすさまじいエネルギーや舞台の高揚感、臨場感に雷に当たったみたいに魅きつけられたんですよね」と魅力を語った。

そして、「梛川監督からは、芝居をしているときの口調とふだんとが変わらない根っからの女優で、スターなんだとアドバイスをいただいています」と明かし、「誇り高さや優雅さを醸し出せたらと思います。往年の女優さんのインタビューなども拝見しました。気さくにお話しされていても気高く堂々としているたたずまい、その風格を出せたらと思っています」と意気込む井川。

「また、百合子の魅力は偉そうな振る舞いに反して天然でぼけているところもあるのでそのおかしみを演じられたらとも思います。浮世離れしていて周囲になじまないところは本を読んでいてもいつもクスッと笑ってしまいます。本気なんだか冗談なんだかわからない、百合子ってつかみどころがないんです」と、天然な一面も魅力として紹介した。

最後に視聴者に向けて、「ことしはさまざまな困難なことがありましたが、千代が前向きに立ち向かっている姿はきっとエールになると思います。笑いと涙、人情味あふれるすてきな作品です。この時代をきぜんと道を切り開いたひとりの女優の生き方と、ちょっと天然でつかみどころのないおかしみの部分もあわせて百合子の魅力として楽しんでもらえたらと思っています」とメッセージを送った。

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