本来であれば、クリスマスや年末年始に向けて、世の中はひときわ活気を増すシーズン。ボーナスの支給時期にも当たり、大きな支出を予定していた人も多いはずだ。だが、今年は長引くコロナ禍の影響で、状況は一変している。

コロナ不況のあおりを受け、2020年冬のボーナスについては支給が厳しいものになるという予測があるなか、マイナビニュース会員800人に今年のボーナスについて聞いた。前回に続き今回は、「ボーナス額にマイナスの影響が出ていることに、どのような不安があるか」を中心に探ってみよう。

  • ボーナス額マイナスの影響、どんなことが不安?

Q.あなたの会社にボーナス(賞与)制度はありますか?

「はい」(85.0%)
「いいえ」(15.0%)

Q.2020年冬のボーナスは出る予定ですか?

「はい」(82.5%)
「いいえ」(5.9%)
「わからない」(11.6%)

Q.2020年冬のボーナスは夏のボーナスと比べて増える予定ですか? 減る予定ですか?

「増える予定」(9.8%)
「減る予定」(38.1%)
「変わらない予定」(35.3%)
「まだわからない」(16.8%)

Q.コロナ禍が続き、ボーナス額にマイナスの影響が出ていることに、どのような不安がありますか?(自由回答)

■「生活費が足りなくなる」

・「家計のやり繰りの見直しが必要になる」(38歳男性/サービス/専門職関連)
・「年収が減るので、生活費を切り詰めなくてはならない」(46歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「毎月赤字でボーナスで補填しているので、生活費が足りなくなる」(43歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「すでに夏季も減るとなっているので、生活レベルを考えていかなくてはならない」(47歳男性/教育/公共サービス関連)
・「将来設計とか、今後5年間くらいの生活設計をどうしたら良いか不安。車を乗り換えてグレードを落とすとか」(41歳女性/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「病院で働いているが、過酷な働きに対する給料がこれ以上マイナスになると辛い」(32歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
・「給与への影響も少なからずあるので、不安です。生活設計に狂いが生じます」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「今年はボーナスのカットだけだったが、来年はさらに月々の給料にまでカットが及びそうなので、生活がさらに苦しくなる。単身赴任で家計が2つに分かれている自分には、かなり厳しい状況」(45歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「家賃が払えん」(43歳男性/ホテル・旅館/販売・サービス関連)

■「ローンが返せなくなる」

・「ボーナスを元にして住宅ローンの返済、生命保険の返済をしているので、減ったり無くなったりするとどこかから捻出しなければいけないので大変」(33歳男性/警察・消防・自衛隊/公共サービス関連)
・「クルマのローンの返済が残っており、非常に苦しいことが予想される」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「これから先も夏・冬ともボーナスが減り続けたら、住宅ローン及び自家用車のローンが厳しくなる」(49歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「あてにしてボーナス払いにしたカード支払い分が払えなくなる」(29歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「ボーナスを予定して、カードを利用して買い物をしていたので、今後が厳しいです」(47歳男性/サービス/営業関連)
・「ローン返済に響くため、続くと破産するかも」(49歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)

■「大きな買い物や旅行ができない」

・「ボーナスで大きな買い物が出来なくなる!」(37歳男性/住宅・建材・エクステリア/営業関連)
・「家電品の購入等に充当するための貯蓄ができない」(41歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「予定していた旅行や、購入予定のものが買えない」(33歳女性/農業協同組合/営業関連)
・「ボーナスを使って一年にいちど贅沢をしていたのだが、今年はお金がないためできない」(29歳男性/医療用機器・医療関連/技能工・運輸・設備関連)
・「生活が厳しくなりそうなので、今年の夏のボーナスからの買い物を減らしている」(47歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「ボーナスを生活費に当て込んでいないので、例年の自分へのご褒美などを我慢する」(44歳男性/設計/メカトロ関連技術職)
・「もともとボーナスからは生活に関するお金を盛り込んでないので、少なくなった分は物消費を我慢する」(49歳女性/専門商社/事務・企画・経営関連)
・「ローンが返せなくなるところまでは行かないと思いますが、外出や趣味などは出来なくなるかもです」(45歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「大きな買い物を予定する場合、ボーナスを極力あてにしないような計画を立てなければならないこと」(47歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「今までだったら行けた旅行に行けなくなったりします。ボーナスは臨時収入なので、基本的にはいつも旅行などで使いますが、今回は苦しいしコロナ禍もあるので、そういう使い方ができません」(47歳女性/食品/営業関連)

■「貯蓄ができなくなる/老後が心配」

・「生活するだけならなんとかなるが、将来に向けての蓄えがなくなる」(40歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「ボーナスが来年も減り続けると貯金が出来ず、自分たちの老後が心配になってきた」(49歳男性/流通・チェーンストア/IT関連技術職)
・「計画していた年間の貯金額が減ってしまう。生活のやりくりに困る」(39歳男性/その他メーカー/事務・企画・経営関連)
・「今後も減り続けると株式の購入や投資信託に充てられる資金が少なくなり、将来の財産形成が難しくなる」(28歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)

■「教育費や養育費に影響」

・「子どもの教育費が負担になる」(49歳女性/ゴム/事務・企画・経営関連)
・「生活費、養育費が厳しい状況になってくる」(49歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「教育費の不安。賞与を見込んでの計画だから」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「子どものことでお金がかかるようになって来るから、ボーナスが出ないと不安です」(41歳男性/銀行/営業関連)
・「子どもの進学費用の積み立てに影響が出る」(37歳男性/ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連)
・「今はボーナスを当てにして不妊治療を受けているので、今後も治療を続けられるものか不安になる」(36歳女性/教育/専門サービス関連)

■「今後もボーナスが減り続けることへの不安」

・「来年にはボーナスがなくなるのではないかという不安」(44歳男性/物流・倉庫/その他・専業主婦等)
・「これからもよくなるとはまったく思わないので、どうなるか不安です」(43歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「コロナが終息するのが何年もかかるようだと、かなり不安ですね」(38歳女性/教育/専門サービス関連)
・「コロナが長期化したら、ボーナスが減り続けるリスクがある」(26歳男性/輸送用機器/技能工・運輸・設備関連)
・「このままコロナ禍が続けば、次のボーナスでは影響が出てくると言われている。外食を控えたい」(49歳女性/その他/専門サービス関連)
・「コロナ禍の現在では減額も致し方ないとは思いますが、このまま減額した状況が続くかも、という漠然とした不安があります」(36歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「もともと職業柄とても少ないので、これ以上さがると困ります」(45歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「大きな不安はないが、生活に余裕は無くなると思うので減り続けたら困る」(44歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「今後どれくらいコロナが続くかわからず、この先の給与やボーナスがいつまで減るのかが不安です。また、いつ解雇されるかもわからないので不安」(37歳女性/インターネット関連/事務・企画・経営関連)
・「今後も減っていくのならば、副業も考えなければならない」(48歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)

■「日本の経済や社会の将来が不安」

・「経済の停滞に繋がるので不安」(36歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
・「今後も経済が不安定になり、ボーナスだけでなく給料に影響が出るのも心配」(47歳男性/医療用機器・医療関連/営業関連)
・「自分だけでなく、社会全体の経済活動が縮小する事による負のスパイラルが心配です」(49歳男性/百貨店/販売・サービス関連)
・「今年はともかく来年再来年と、影響はどのようなものか。自分だけではなく周囲全体で気になる」(44歳男性/専門商社/営業関連)
・「このままコロナ禍が続くと会社の賞与もですが、日本経済がますます負のスパイラルに陥る可能性が高くなると、とても強く感じます」(41歳男性/半導体・電子・電気機器/IT関連技術職)
・「今後の大増税が怖い」(42歳男性/証券・投資銀行/専門職関連)

■「その他」

・「お小遣いを減らされる可能性があり、気持ちが萎える」(46歳男性/流通・チェーンストア/営業関連)
・「普段からボーナスに頼る生活はしていないが、やはり支給額が下がることによってモチベーションも下がるので、できればこれ以上下げられたくない気持ちが大きい」(39歳女性/鉱業・金属製品・鉄鋼/事務・企画・経営関連)
・「年収に占める比率が高いので、収入が大きく減少する」(47歳男性/その他/メカトロ関連技術職)
・「額としてはマイナスだけれど、使う額が少なくなっているので大きな問題はない」(33歳男性/教育/公共サービス関連)
・「夏も出なかったので諦めている」(44歳男性/サービス/専門サービス関連)
・「生活が出来なくなって、ホームレスになってしまうかもしれない不安がある」(34歳女性/インターネット関連/その他技術職)
・「減額に文句を言い出せない空気が辛い……」(48歳男性/ホテル・旅館/販売・サービス関連)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員のうち、勤務先にボーナス(賞与)制度があると回答した人は85.0%と、非常に多くの人がボーナスを受給していることがわかった。2020年冬のボーナスについては、出る予定の人が82.5%となった。ただし「わからない」と回答した人も11.6%おり、1割以上が先行き不透明な状況になっている。

冬のボーナスは夏のボーナスと比べて「増える予定」と答えた人は1割未満の9.8%。「減る予定」は38.1%、「変わらない予定」は35.3%と、7割以上がこの冬のボーナスは現状維持、もしくは減る予定と回答している。

コロナ禍が続き、ボーナス額にマイナスの影響が出ていることに、どのような不安があるかを尋ねた。寄せられたコメントから主な不安要因を大まかに分類すると、「生活費が足りなくなる」「ローンが返せなくなる」「大きな買い物や旅行ができない」「貯蓄ができなくなる/老後が心配」「教育費や養育費に影響」などとなった。ボーナス支給額の減額や支給中止に伴う収入減が、どこに影響しているかを示している。

もちろん、これらの不安は個別に存在しているものではなく、ボーナス減が家計の中で最も響くポイントを述べたものになる。回答の中には「生活費が逼迫し、大きな買い物を諦めた」「老後に備えていた貯蓄を切り崩し、生活費に充てている」「住宅ローンが返せなくなるので、教育資金を取り崩す」など、複数の影響を指摘するものも多かった。

また、「今後もボーナスが減り続けることへの不安」や「日本の経済や社会の将来が不安」など、今だけではなく将来にわたってマイナスの影響が続くことを不安視する声もあった。2020年冬のボーナスだけに止まらない、深刻な事態であるという認識となる。確かに、なかなか先を見通せない現状では、未来に対しても悲観的にならざるを得ないだろう。

「その他」の不安では、「気持ちが萎える」「モチベーションが下がる」などメンタル面への影響や、「諦めている」「ホームレスになってしまう」など諦念や絶望を感じさせるコメントも見られた。

第3波の到来もあり、新型コロナウイルス感染拡大の懸念は日ごとに増している。海外でのワクチン接種開始などの明るいニュースもあるものの、事態の終息までにはまだまだ時間がかかりそうな気配だ。今回のアンケートの回答にもあったが、2020年冬のボーナスだけではない、将来にわたる経済活動や暮らしへの影響も懸念される。いまは、1日でも早く平穏な日常が取り戻せることを願うばかりだ。

調査時期: 2020年11月24日〜2020年11月27日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 800人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません