ソーシャルディスタンスの世界で、SNSから始まる恋を描く日本テレビ系ドラマ『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(毎週水曜22:00~)。波瑠演じるヒロイン・大桜美々の恋の相手、青林風一役を好演しているのが、朝ドラ『スカーレット』(19~20年)で人気急上昇となった俳優の松下洸平だ。
『#リモラブ』では、生真面目で不器用な“あおちゃん”役が好評を博し、SNSで「#あおちゃん沼」があふれるなど、またもや松下にハマる女子が続出中。そんな松下に、コロナ禍を彷ふつとさせる本作の撮影秘話や、ブレイク後の心境について話を聞いた――。
■心が豊かになれるかどうかが重要
――最初に、リモートで恋をしていくという設定を聞いたとき、どんな感想を持ちましたか?
僕はアナログ人間なので、最初に聞いたときは「ないない」と思っていたんです。だって、好きになった相手がおじいちゃんかもしれないし、ドラマにも出てきましたが、恋の相手が誰なのか分からないわけでしょ? いろいろ想像しました。もちろん僕は経験がないのですが、今の時代ではきっとあるんだろうなと。そこを否定してはダメだなと思うようになりました。
――それは、このドラマをやっていく中で気づいたことですか?
今は出会い方も様々な方法があるし、やっぱりコロナ禍で、多くの人たちが日々の生活に対して心もとない部分や寂しさや孤独みたいなものを抱えていると思うので。僕自身も自粛期間中に人と会いたいなと思っていましたし、SNSで顔も名前も分からない人との交流も、そこに心の拠り所を感じて満たされるのであれば、いいんじゃないかなと、今なら思えます。大事なのはどうやら年齢や性別ではなく、その人とのやりとりで心が豊かになれるかどうかが重要なんだなと、気づきました。
■「嫌われてもいい」という覚悟も
――演じた青林に共感する部分はありますか? ご自身と似たところがあれば教えてください。
青林は優しいオーラをまとっていて、誰に対してもフラットに接することができるし、本当に飾らない人だと思いますが、その一方でちょっと頑固なところがあり、そこは分からなくもないです。僕は、恋愛に関しては特にこだわりはないんですが、仕事をしていく上では、そういうこだわりやプライドがないとダメだと思っています。まあ、青林の場合、こと恋愛に関しては謎の頑固さがありますが(笑)。演じる上では、そこに気をつけています。
――確かに青林は少し変わっているので、両想いの恋もなかなか発展しませんが、そこがまた、このドラマの醍醐味でもあるのかなと。
青林は「美々先生のことはよく分かりません」とか、言わなくていいことまでハッキリと言ってしまいますから(苦笑)。でも、青林の変なところ、人として引っかかる部分をしっかり作っておかないと、彼がただ優しくてほわんとしているだけの人になってしまう。ただでさえ個性豊かなキャラクターがたくさん出ている中で、彼の個性とは何だろうと考えたとき、その辺な頑固さは絶対に必要だと思ったので、嫌われてもいいというある種の覚悟を持って演じたいなと思いました。
――そんな青林と美々先生のリアルな恋がようやく第7話(12月2日放送)からスタートしましたね。
美々先生もすごく特殊な性格で、そういう引っかかりがたくさんある方だと思います。そんな2人が恋をすることによってぶつかり、だんだん摩擦で、丸くなっていく様を表現できたらいいなと思っています。