炎上しているSNSや動画のコメント欄などでしばしば使われている、「アンチ」という言葉。軽い反対意見を述べている人を指していることもあれば、執拗に粘着している人を指すこともあります。
本記事では、アンチという言葉の意味や語源、類義語、ネット上でのアンチとの付き合い方について紹介します。
アンチとは? 意味や語源を紹介
アンチとは、英語の「anti」を語源とする、「反対・対抗・排斥」などの意味を表す言葉です。アンチウイルスソフト、アンチエイジングといった使われ方をします。ネット上で用いられる場合には、SNSや動画投稿サイト、ニュースサイトのコメント欄などにおいて、投稿者やコンテンツ内で触れる個人・団体などに対する反対意見を述べる人を指すことが多いです。
以下、英語表現、およびネット上での表現について詳しく解説します。
英語としてのアンチ(anti)
アンチという言葉の直接の語源は英語の「anti」であり、名詞で「反対論者」、形容詞で「反対する」「反対の」、前置詞で「~に反対で」といった意味を持ちます。「anti-名詞」として、「~の反対」をあらわす接頭辞として用いられることもあるなど、よく使われる表現です。
また、英語の「anti」の語源は諸説あり、ドイツ語や古代ギリシャ語という説があります。いずれも「反対の」「対抗する」などを表しており、同じ言葉で意味が大きくは変わっていません。
インターネット用語としてのアンチ
インターネット用語としてのアンチは、SNSや動画投稿サイト、ニュースサイトのコメント欄などにおいて、投稿者やコンテンツ内で触れる個人・団体などに対する反対意見を述べる人を指すケースが多いです。
以下では、ネット上で「アンチ」と呼ばれる人の特徴を紹介します。
- 極端な反対意見を押しつけてくる人
人の数だけ意見があることは普通のことですが、時に「自分の意見が絶対だ」としている人から、強烈な反対意見を押しつけることがあります。
SNSや動画投稿サイトでの投稿に対してコメント欄などで極端な反対意見を述べて、時には謝罪を求めてくるようなことも。自分の意見以外は認めない人も多く、自分と合わない意見を見つけると、批判して意見を押しつけてきます。
- 対象者を嫌っている人
対象者に対して興味がなければ、ネットで粘着することはありません。相手に対して何らかの興味を持っているからこそ、つい気になってしまい批判するなどの行動に出る人も多いです。中には、以前は対象者のファンだったにも関わらず、熱愛報道や不祥事などをキッカケに、がらりと態度を変えることもあります。
- SNSなどでコメント欄を荒らす人
SNSや動画投稿サイトのコメント欄に、悪意のあるコメントを残す人もいます。罵倒したり、人格攻撃したりすることもあれば、最悪の場合、犯罪をにおわせるようなコメントをして社会問題になることもあります。
アンチの類義語
アンチという言葉の類義語には、クレーマー(クレーム)、中傷、難癖、言いがかり、目の敵、ヘイトなどがあります。
以下、それぞれの意味を紹介します。
クレーマー、クレーム
クレームとは苦情や問題点の指摘のことで、クレーマーとはそれらを指摘する人のことを指します。
言いがかり、難癖、中傷
言いがかりとは、人を責めて困らせるために言い立てることで、難癖とは非難すべき点のことです。中傷は根拠のないことを言いふらし、他人の名誉を傷つけることを指します。
目の敵にする
目の敵にするとは、相手を憎んで敵視することです。アンチと呼ばれる人の中には、対象者を敵視して、ネットに悪意のあるコメントを書き込むことが多いため、対象者を目の敵にしているとも言えます。
ヘイト
ヘイトとは、憎むこと、反感を抱くこと、憎悪などをあらわす言葉です。とくに人種・国籍・宗教・性的指向に対する反対意見をヘイトとして使われることが多いです。
ネット上でのアンチへの対処法
SNSや動画投稿サイトなどでファンが増えると、アンチと呼ばれる人も増加します。以下では、そういった場合の対処法を紹介します。
ただの誹謗中傷ならスルーする
意見の中には、素直に対象者の悪いところを指摘してくれるものもあれば、単なる誹謗中傷もあります。言いがかりをつけたいだけの場合も多いので、すべての意見を相手にする必要はなく、時にはスルーすることも重要です。安易に向き合うとさらにあげ足をとられてしまい、悪循環に陥ってしまうこともあります。
冷静な分析なら受け入れる
自分に対する反対意見のすべてをスルーしていては、本当に応援してくれているファンからの警告も受け入れられなくなってしまいます。自分の成長する機会を逃すこともありますので、冷静に分析して指摘してくれる意見と判断したなら、じっくり読んで受け入れましょう。
ブロックする・ミュートする
アンチと呼ばれる人の意見を受け止め過ぎると、少なからず精神的なダメージを受けてしまいます。しつこく絡んでくるようなら、ブロックしてコメントできないようにするのもおすすめです。該当するコメントが見えないようになるミュート機能を搭載しているSNSも多いので、嫌なコメントは見えないようにするのもいいでしょう。
法的対処を検討する
ネットに自分の誹謗中傷が書き込まれたり、自分を害するような予告されたりと、行動が度を超すような場合には、法的対処を検討するのもひとつの方法です。掲示板での書き込みの削除を依頼したり、名誉毀損による損害賠償請求をしたりなど、事例によって対処が異なります。ネットでの誹謗中傷などの事例に強い弁護士に相談して、対策を練りましょう。
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英語で「反対の」を意味するアンチは、反対・対抗・排斥などの意味をあらわす言葉。ネットでは反対意見を押しつけたり、コメント欄を荒らしたりする人のことです。
SNSや動画投稿などでフォロワーが増え、注目度が増すようになると、アンチと呼ばれるような人も増えてきます。中には冷静な意見を伝えてくれる人もいますが、悪口としかいえない意見を書き込む人も多いです。そういった人と真面目に向き合っていると、心が疲弊してしまいます。
誹謗中傷と思われるような意見が届いた際には、ブロックやミュート機能を活用してスルーするなど、相手を刺激せず、かつ自身の心の安寧を保てるよう、正しく対応していきましょう。