俳優の窪田正孝が主演を務めたNHK連続テレビ小説『エール』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)がついに27日、完結した。最終回は、主人公・古山裕一(窪田)のモデルとなった作曲家・古関裕而氏の名曲を人気キャラ総出演のコンサートで届けた。「長崎の鐘」は裕一の指揮で音(二階堂ふみ)が歌唱。二階堂が美しい歌声を披露したが、これは二階堂の努力の賜物だとチーフ演出の吉田照幸氏は言う。そして、二階堂の努力と成長を感じ、歌唱シーンを増やしたことも明かした。

  • 『エール』裕一役の窪田正孝(左)と音役の二階堂ふみ(

作曲家・古山裕一と妻・音の夫婦の物語は26日放送の第119回で完結。最終回となった第120回は特別編として、「『エール』コンサート」と題し、人気キャラクター総出演のカーテンコールをNHKホールから届けた。

「古関さんに『ありがとう』という意味を込めて、最後に古関さんの曲を歌うのは、このドラマでしかできないですし、何か意味があるのではないか」と考えた吉田氏。主人公のモデルとなった古関氏への感謝を込めたコンサートという、本編なしの異例の最終回に挑んだ。

コンサートのラストは、裕一の指揮で音が歌う「長崎の鐘」。出演者全員が加わり、平和の祈りを込めて歌い上げた。吉田氏は「長崎の鐘」を誰が歌うか迷ったそうだが、「やはり音と指揮する裕一で終わったらいいんじゃないか」と2人に託した。

吉田氏は、「二階堂さんは最初はこんなにうまくなかったんですけど、この1年、本当に努力されてあそこまで。ちょっと感動しました」と、二階堂の歌唱力の成長ぶりに改めて感動したという。

オーディションで毎回歌を歌ってもらったものの、起用のポイントはあくまでも演技。オペラの歌唱シーンは吹き替えという可能性も考えていた。

だが、二階堂のひたむきさを見て、さらに、歌唱指導の先生から「彼女はやる。声質はいいからいける」と太鼓判を押され、歌唱シーンは「だんだん増えていった」と明かす。オーディションシーンや慈善音楽会シーンなどで、二階堂の歌声はSNS上で反響を呼んだ。

「これは現場で見ながら書いているという特質だと思いますが、この人はここまでやれる、この人はこういう魅力があるということで膨らませた部分がいっぱいあるんです」と吉田氏。

裕一の恩師・藤堂先生(森山直太朗)や、“ミュージックティーチャー”として話題となった御手洗清太郎(古川雄大)も、当初の予定より出演シーンを拡大。久志(山崎育三郎)のキャラクターも現場で見ながら膨らませたという。

歌唱シーンを増やそうと思わせた二階堂の努力と成長。その集大成と言える「長崎の鐘」の歌唱に、SNS上では「裕一の指揮で歌う音に涙が出た良かった」、「裕一さんの指揮で音さんが歌うのいいね」、「二階堂ふみさんの歌、心に響いて涙が出ました」、「二階堂ふみちゃんの歌声に感動」、「二階堂ふみさん、ほんと歌が上手いなあ」などと感動の声が続出している。

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