「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」に、コピーライター・的場友見さん(38)の『サロガシー』に決定。26日、授賞式が行われ、フジの遠藤龍之介社長から賞状が授与された。

  • 「ヤングシナリオ大賞」を受賞した的場友見さん

坂元裕二、野島伸司、橋部敦子、浅野妙子、黒岩勉、野木亜紀子といった数々の人気脚本家を輩出してき同賞。今年は1,567作品(昨年1,733)の応募が集まった。

大賞作品の『サロガシー』は、主人公・江島環(28)がゲイである兄・江島聡(38)のために、代理母(=サロガシー)として妊娠出産することを決意する話。代理出産、LGBTなどセンシティブな題材だが、登場人物を身近に感じる人物像として丁寧に描き出し、人間的魅力で飽きさせずに展開していく構成が巧みであり、かつ医療制度、法律、社会通念、倫理観など様々な問題に真摯(しんし)に向き合っていることなどが高く評価された。

審査委員長の澤田鎌作氏(フジテレビ第一制作室)は「最終選考では、流し打ちで内野の間を抜くバッティングではなくフルスイングでホームランを狙える将来の4番バッター候補を選ぶ、という方針のもと議論を重ねた。大賞はまさにそんな作者ではないか。一見、奇をてらった設定のようでいて、その人物造形は非常に丁寧で、代理出産の問題やLGBTの方々が直面している状況に対し真摯に向き合い、現状の問題点を浮き彫りにした上でエンタテインメントとして物語を構築できている。その手腕は今後の活躍を大いに期待させた」と講評した。

的場さんは「今年、2020年は特にドラマの力、素晴らしさを実感された方が多い年ではなかったかと思います。そのような年にこのような素晴らしい賞を頂けてうれしく思っています」と喜びを語っている。

大賞は賞金500万円。賞金100万円の佳作には、湯田美帆さんの『東京バナナ』、横尾千智さんの『ふぁってん!』、山崎力さんの『男は背中を語る』が選ばれた。

次回の第33回は、年明け1月中旬から募集開始する予定。

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