コクヨは「2021コクヨフェア」を12月1~14日の平日に開催。「Be Unique~時空を超えて、新しいリアルへ~」をコンセプトに、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド形式による、社会変化を見越したこれからのワークスタイルを提案していく。開催前の事前内覧会に参加したので紹介したい。
サステイナブルな社会を目指す
冒頭では、ロンドン・ビジネススクール管理経営学教授のリンダ・グラットン氏が「今後の生き方を考えることが、いまほど重要な時はない。よりよい社会をともにつくっていくには、何をすべきか」とビデオメッセージで問いかけ、家族、友人、コミュニティのつながりをもっと深めることのできる社会の在り方を今こそ考えるべきだとコメントを寄せた。
コクヨ会長の黒田章裕氏も、「自分のためや家族のためというのはもちろんあるが、他人のため、社会のため、困った人のため、というものがより大きなゴールとしてある。そしてそのゴールは限りが無く、サステナブル(持続可能)なものとして考えていかなければならない」と、作り上げていくべき社会の形について語った。
コクヨの新ライブオフィス
2020年は新型コロナウイルスの流行により、ニューノーマルな社会への変革を余儀なくされ、リモートワークなど新しいワークスタイルが求められるようになった。コクヨでは、「創造性を加速させる場」を掲げた新時代のオフィス環境を具現化した新ライブオフィス「(仮称)品川NX」のグランドオープンを控えている。
新社屋では社員固有のスペースは用意されておらず、完全にフリーアドレス。フロアごとに新規事業の立案など人との交流を図る「企む」フロア、ミーティングなどを実施する「集う」フロア、食事やイベント・発表会などを行う「遊ぶ」フロアなど、フロアごとにコンセプトが設けられ、オフイスというよりも、スタイリッシュなギャラリーや寛げるカフェのような空間づくりとなっており、各々が自由なスタイルで働くことができるようになっている。
リモートワーク推奨のため、座席容量も全社員の半数ほど。会議室などは専用アプリで管理し、空いていればその場でアプリから利用申請し、事前予約もできる。また、オフィス内の過密状況はフロア入り口にあるモニタなどで確認できるようになっており、オンラインで外部からも状況が確認できるようになっているという。
そのため、オフィスに向かう前に密な状況を避けて出勤のタイミングをずらしたり、リモートワークに切り替えたりすることも可能。オフィス内には、飛沫対策のパネルや個室ブースなど、今回発表された新製品を含むコクヨのオフィス用品が活用されているが、オフィス環境に自然に馴染んでいた印象だ。
感染対策を考慮したオフィス家具
この日に発表された新商品には、飛沫感染対策を考慮したものもある。
12月より受注を開始する会議用テーブル「エアトリーブ」(オープン価格)は、会議シーンの会話で生じてしまう飛沫や呼気を吸引し、室内への飛沫の拡散を防止。天板下に電子式集塵フィルターを内蔵した空気清浄ユニットを搭載しており、天板中央の吸引部から毎秒2.5メートルの風の流れを発生させ、飛沫などを吸引して空気をろ過する。向かい合わせの場でも、飛沫の不安なく会議できるのではないだろうか。
また、7月より販売開始していた「WORK POD」は、換気に配慮したクローズド環境を構築できる製品で、集中できる仕事環境を構築したい場合や、オンラインでの商談などオープンな環境を避けたい場合などに役立つ。
今回、そのシリーズから「1on1タイプ」(工事単位ごとに見積もり)が登場。2人用サイズのものをガラスパーティションで分けることで、対面でありながら飛沫防止と換気対策が実施されている環境を得ることができる。専用のスピーカーマイクが備えられているので、ガラス越しであってもリアルなコミュニケーションが可能だ。
このほかにも、電源設備の乏しい場所でもディスプレイ利用などの長時間デジタルワークを可能にする充電式ポータブル電源「Energyシリーズ」や、コクヨでは初めてとなる製品でデジタルワークを支えるモニターアーム「Loopo」(税別2万8,000円/Lタイプ、2万2,400円/Iタイプ)、コロナ禍による環境変化にも柔軟に対応できるスリットを備えたワークステーション「SOLANA」(税別25万8,100円~)、教員の声をヒアリングして完成させたという省スペース執務デスク「STRATA」(税別8万4,000円/職員室モデル、6万9,200円/オフィス向けモデル)など、たくさんの新商品が発表された。