テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2020』(毎週日曜4:30~)では、旧満州にあった建国大学に迫る『消えた大学 幻の満州の夢』(ABCテレビ)を、15日に放送する。

  • 建国大学在学中の邱来伝さん(当時19歳=中央)

今回の取材ディレクターである丘文奈記者の祖父・邱来伝(きゅう・らいでん)さんは、満州にあった「建国大学」という大学の出身だった。それは歴史でわずか7年しか存在しなかった“幻の大学”だ。

建国大学は、1938年に関東軍と満州国政府によって「満州国最高学府」として新京市(現中国・長春市)で創設された。満州国の将来の指導者を育てるべく、「五族協和」の理念のもとで、日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシアから若きエリートたちが建国大学に集められたという。祖父はそのうちの1人だった。

「五族平等」と「学問の自由」が重視され、学生たちは寮で寝食を共にし、今では想像できない民族を越えた絆を紡いだという。しかし、1945年の日本の敗戦とともに、建国大学は歴史の闇へとその姿を消してしまった。

祖父は16年前、丘記者が10歳だった時に亡くなったため、一度も祖父から建国大学の話を聞いたことがなかった。しかし父によると、建国大学は祖父にとって特別な場所だったという。

建国大学は一体どんな大学だったのか。90歳を超える証言者たちを訪ね歩き、記者として、祖父の孫として、建国大学とその知られざる絆に迫る。

  • 建国大学6期生の村田治雄さん(左)と丘記者