観察力は、コミュニケーション能力を上げることにつながる力です。観察力がある人は、相手の表情や仕草、話し方などを細かく見るため、その観察によって相手の状態をよく理解できるからです。
観察力を鍛えることは、ビジネスパーソンとしての大きな武器になりえるでしょう。そこで本稿では、観察力を鍛えるトレーニングや身につくことで得られるメリットを紹介していきます。
観察力が身につくことによるメリット
まずは観察力が身につくことで得られるメリットについて把握しておきましょう。
■ミスが少なくなる
観察力がある人は、小さな変化に気づけるとともに、固定観念を持たずにいろいろな角度で物事をとらえられます。変化に気がついた際、その変化に対し冷静かつ客観的な判断ができるため、素早くミスを発見できます。
また、作業をしながらよく違和感にも気づくので、未然にミスを防ぐこともできます。
■好奇心旺盛になる
あらゆる物を観察しているので、興味のあることを見つける機会も増えます。観察力があれば、多くのことに関心を持つようになるでしょう。好奇心旺盛となることで、さらに観察をするようになるので、一層観察力を高めていくことにもつながります。
■五感が鋭くなる
さまざまな変化に気づくということは、受け取る情報量が多いということなので、五感が鋭くなっていると言えます。いつもより部屋が暑い、塩味が薄いなどの視覚以外の情報でも変化に気がつけるようになります。
■気持ちが読める
観察力が身につくと、相手が求めていることがわかるようになり、細やかな気配りができるようになります。これにより、会話時に相手の気持ちを読むことでプラスになる言動ができるようになります。
■冷静になれる
不測の事態が起こったときに、焦って冷静な判断ができなくなってしまうことはよくあります。そのような場合でも、観察力があれば、様々なことに注意を向け、状況の把握や改善に必要な情報をすぐに集められます。
観察力と洞察力に違いはあるのか
観察力と似た意味を持つ言葉として洞察力という言葉があります。観察力が変化に気づくための力であることに対して、洞察力は物事の変化から、その背景で起こっていることを推測する力のことを指します。
もう少し詳しく言うと、観察力は見える範囲内において物事の本質をとらえる力という意味なのに対し、「洞察力」は見える範囲はもとより、人の心の動きまでとらえる力を指します。
例えば、部下の髪型やファッションが変わったこと自体に気づくのが観察力で、その変えたことの原因や理由まで探れる、あるいは気づけるのが洞察力と言えるでしょう。
観察力を鍛えるトレーニング
観察力は生まれ持った能力ではなく、ちょっとした意識付けによって鍛えることが可能です。以下にまとめましたので、取り組めるものから取り組んでみてください。
■周囲をよく見るようにする
観察力を鍛えるためには、ちょっとした変化にすぐに気づけるよう、日頃から周りをよく観察する習慣をつけましょう。
特に、周囲の人の服装、髪型などの変化は気づけやすいです。毎日会う人を観察し、昨日と今日で変化した部分を見つけるようにしながら観察力を鍛えましょう。
■情報収集
「変化に気づける」ということは、「変化が起こる前のことを知っている」ということでもあります。そのため、変化に気がつくためには、日頃から注意して観察をし、いろいろな視点から多くの情報を集めておくことが重要です。
■注意力を養う
変化に気がつくためには、日頃から「変化が起こる可能性がある」と注意をしておく必要があります。日頃から、変化が起こる可能性に注意して観察をすることで、たとえ小さな変化でも、「違和感」として気づけるようになります。
■固定観念を取り除く
固定観念を取り除き、いろいろな角度で物事を判断できるようにすることで、日常の小さな変化にも気がつけるようになります。
物事に対して固定観念を持っていると、「このような場合はこのようになる」と思い込んでしまいます。変化が起こっていないと決めつけてしまうことで、その変化に気がつけなくなってしまう可能性がありますので、柔軟な視点を持ちましょう。
■普段話さない人と話す
普段話さない人と話すことで、新しい視点で物事をとらえられます。同じ人とばかり話していると、新しい視点が増えにくく、気づきを得られません。さまざまな視点を吸収し、観察力を鍛えていきましょう。
観察力を仕事に活用しよう
観察力を鍛えれば小さな変化も見逃さず、ミスを防ぐことにもつながります。また、この観察力をコミュニケーションに活かせれば、仕事に役立つことも多くなるでしょう。トレーニングで観察力を鍛え、仕事で活用していきましょう。