大豆は、古くから日本で食べられている食材のひとつです。栄養価も高く、日本だけでなく、世界中で大豆に関する研究も進められています。しかし、日本では豆類の摂取量が減る傾向にあり、大豆や大豆製品を食べる機会が少ないといわれています。今回は、長期保存もでき、優秀な大豆製品である高野豆腐を取り入れた、おすすめレシピをご紹介しましょう。

大豆たんぱく質は脂肪を燃焼する!?

日本の伝統的な食材の高野豆腐は、豆腐をいったん凍らせたあと、解凍、脱水したのち乾燥させて作られます。そのため、普通の豆腐と異なり、水分を抜くことで、大豆の栄養素が凝縮され、効率よく栄養を取ることが出来ます。高野豆腐は、鎌倉時代に僧侶によって作られていた精進料理として、または信州や東北などで作られていた凍み豆腐といわれています。

高野豆腐は「畑の肉」ともいわれ、大豆製品の中でも特に、栄養価が高く、低糖質で良質なたんぱく質が多く含まれている食材です。100g中のたんぱく質量は、納豆が16.5g、木綿豆腐が6.6g、高野豆腐が49.4gと大豆製品の中でも圧倒的にたんぱく質が多いことがわかります。また、高野豆腐は脂肪を燃焼させやすいアミノ酸が多いのも特徴です。ダイエットしたい、ダイエットに取り組み中の方にもおすすめの食材です。

高野豆腐の成分のうち、約33%は、脂質を含みます。この脂質の8割は、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、血管の健康維持、血栓予防、高血圧予防に役立つといわれる、不飽和脂肪酸であるため、安心です。

低糖質でミネラルも豊富

高野豆腐は、たんぱく質が豊富に含まれているだけでなく、カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルも多く含まれているのが特徴です。女性が不足しやすいミネラルやたんぱく質も十分に補えます。鉄分は、たんぱく質を十分に補うことができてから、初めて体内で利用されます。そのため、運動選手や月経のある女性にもおすすめの食材です。

そのほか、コレステロールや中性脂肪を低く抑える作用のあるレシチンや大豆サポニン、女性ホルモンと似た働きをするといわれる大豆イソフラボンなども含まれています。貧血予防に役立ち、強い抗酸化作用を持つビタミンEも含まれているため美容にも効果的です。

炭水化物は100g中5.7g程度です。糖質が少ないので、ダイエット中でも安心して食べることができます。食物繊維も含まれていますから、便通を整え、腹持ちをよくする効果も期待できます。

長期保存可能!非常食にもおすすめ

乾物である高野豆腐は、長期保存ができるため、常備しておくのがおすすめです。最近の市販されている高野豆腐は、すぐ調理ができる便利なものが多いので、味噌汁やスープの具材に足したり、煮物に一品追加するなどいろいろな料理に利用しやすくなっています。いつもの料理に高野豆腐をプラスするだけで、簡単に栄養価をアップさせることができますので、非常食にもおすすめです。ぜひ積極的に取り入れていきましょう。

今回は、作りやすく、栄養もたっぷり入った和風オーブン焼きをご紹介しましょう。

和風オーブン焼き
<材料>2人分
高野豆腐     2個
卵        2個
豆乳       100ml
みそ       大さじ1
小ねぎ      適量

<作り方>
1:高野豆腐は水に浸し、戻したらよく絞り、一口大の大きさにきる。小ねぎは小口切りに切っておく。
2:ボールに卵を入れ、よく溶きほぐし、豆乳、みそを混ぜ、1を入れて10分ほどおいておく。
3:2を耐熱容器にいれて、オーブントースターで、焼き色がつくまで焼く。ねぎを散らしたらできあがり。

<ポイント>
いつもの料理に一品追加することで、たんぱく質やビタミン類、ミネラル、食物繊維など補うことができます。煮込み料理やスープなどいろいろなお料理に合いますので、試してみましょう。おいしく食べながら、美しくダイエットすることにつながります。