東京商工リサーチはこのほど、2020年1~9月の「そば・うどん店」の倒産件数は前年同期比8件(87.5%)増の15件に上ると発表した。前年同期比でほぼ2倍となり、既に2019年の年間件数13件を上回った。

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倒産は全て小規模店舗で発生

倒産15件の内訳をみると、「そば店」が9店、「うどん店」が6店舗となった。このうち、個人事業は8件と前年同期(2件)の4倍に急増したほか、有限会社は6件、株式会社は1件のみ発生、いずれも従業員数5人未満の小規模店舗だったという。

1~9月比較では、過去30年間で2011年などに記録した最多件数16件に迫る4番目の数値。年間では、2015年の24件以来、5年ぶりに20件台に乗せる可能性が高まっている。

  • 「そば・うどん店」の倒産年次推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

負債総額は同55.0%(1億9,800万円)増の3億700万円と、前年同期の1.5倍に増加。詳細をみると、負債5,000万円以上1億円未満は1件だったのに対し、同1,000万円以上5,000万円以上は14件と零細規模が大半を占めた。

新型コロナウイルス関連倒産は1件。同調査では、「個人経営が多い『そば・うどん店』は、新型コロナの資金繰り支援策が薄まると、倒産だけでなく休廃業まで上乗せしてくることが危惧される」と指摘。「感染防止対策を講じた『そば・うどん店』を、『Go To Eat』キャンペーンだけでなく、普段から盛り上げていくことが必要だ」とコメントしている。