――最新作『ウルトラマンZ』をはじめとする、近年のウルトラマンシリーズもご覧になっていますか?

子どもといっしょに観るときがありますよ。僕は最初の『ウルトラマン』から『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』……『ウルトラマンレオ』くらいまでしか知らないんですが、うちの子たちは今放送している最新作から、さかのぼって昔のシリーズまで、あらゆる作品に食いつきますね。ウルトラマンティガとか、ウルトラマンゼロの出ている作品もしっかり観ていて、とても詳しい。子どもの吸収力って、本当にすごいなと感心しているんです。もう僕はぜんぶのウルトラマンを覚えられないんですが、「これはタイガ」とか「これはタイタス」とか、子どもたちはみんな詳しいところまで知っていて、驚かされます。

――数多いウルトラマンシリーズの中で、田中さんの一番好きな作品は何でしょう。

やっぱり、原点の『ウルトラマン』ですね。50年以上前にテレビで観たときの興奮が忘れられません。ジェットビートルに代表されるメカのデザイン、科学特捜隊のユニフォーム、ヘルメットやスーパーガンなどの装飾、すべてが「最先端」を感じさせ、今でも色あせない魅力にあふれています。主題歌やBGMといった音楽のすばらしさも大きいです。そして何といっても「特撮」がすごい。第2話(侵略者を撃て)でバルタン星人がバラバラと分身しながら歩いていくカットなんて、今観てもワクワクします。こういった良質の作品を子ども時代に観ることができたのは、僕にとって幸運でした。僕は『エイリアン』(1979年)も大好きで、フィギュアなどを集めているんですが「後の映像作品に多大な影響を与えたキャラクター」という意味で、ウルトラマンやエイリアンといった"偉大なる先駆者"に強い愛着を持っています。

――田中さんが特にお好きなウルトラ怪獣を挙げるとすれば、何になりますか。

ゴモラ、レッドキングといった"正統派"怪獣が大好きです。ゼットンもカッコよくて好きですね。あとはやっぱり、バルタン星人でしょう。デザインも造型も画面での活躍の仕方もすばらしいです。『ウルトラセブン』のエレキングもすごいですよね。両目があるべき部分にアンテナが備わっていて、それが交互にクルクル回転しているんですから。その発想にしびれています。ウルトラ怪獣のすばらしさは、正統派からキャラっぽいやつまで、バラエティに富んでいるところでしょう。愛嬌たっぷりのカネゴン、ピグモンがいる一方で、テレスドン、ネロンガみたいな怪獣らしい怪獣がいたり、メフィラス星人やバルタン星人のような「宇宙人」系もいたりする。一体一体、強烈な個性があって魅力的なんです。

――ジャミちゃんのもとになった棲星怪獣ジャミラもまた、ウルトラ怪獣の中でも屈指の人気怪獣ですね。

シャツとかセーターを頭にかぶせて「ジャミラ!」なんて、子どものときによくマネして遊んでましたよね(笑)。あれって、たぶん全国の子どもが同じことやっていたと思うし、後の世代にもジャミラのマネとして受け継がれているんです。『ウルトラマン』の影響力がすごいのは、こういうところですよ。本放送ではたった一回しか出てこない怪獣なのに、ジャミラのことをみんなが知っているという。

――ジャミラのユニークなシルエットだけでなく、「自分を見捨てた地球人に恨みを抱き、復讐のために帰ってきた宇宙飛行士」という基本設定までもよく知られているんですね。

ジャミラは水のない惑星で怪獣になったので、水に弱いんですよね。最後、ウルトラマンのウルトラ水流で溶かされてしまって、テレビを観ていて「もとは人間だったのに、死んじゃってかわいそうだな」なんて思いました。他のエピソードでも、子どものころはただ怪獣とウルトラマンの対決を楽しんでいたけれど、大人になって改めて観ると「ずいぶん深いテーマのストーリーだな」なんて気づかされることが多いんです。ジャミラなんて、作り手の"伝えたいこと"が比較的子どもにも伝わりやすいですよね。

『ウルトラマン』の良さは、子どものための番組だけど、"子どもだまし"には絶対にしていないところでしょう。お話にしても特撮にしても、すごく手がこんでいる。僕ら爆笑問題も子どもに向けた番組をやることがありますが、子どもだましという感覚でやっていれば、絶対に通用しないと強く思っています。まあ僕らの場合、大人にしかわからないことを言ったりして、子どもにキョトンとされるときもありますけど(笑)。『ウルトラマン』が大ヒットした要因にはいろいろなものがあると思いますが、作っている人たちがあまり「目線を低く(子どもに)合わせようと思っていなかった」のも大きかったんじゃないでしょうか。

――田中さんのウルトラマン、およびウルトラ怪獣への愛着が感じられる、よいお話をうかがうことができました。「かいじゅうステップワンダバダ」第2シリーズでの、ジャミちゃんの活躍も楽しみにしています。

「かいじゅうステップワンダバダ」を観てくれる幼い子どもたちのほとんどは、ジャミちゃんをはじめとするかいじゅうたちの元になった「ウルトラ怪獣」のことは知らないはずなので、この作品はウルトラマンシリーズとは「別世界」のつもりでいます。作品自体は子どもから大人まで幅広い世代にお楽しみいただけるものになっていますから、たくさんの人に「ウルトラ怪獣」への興味をどんどん持っていただきたいですね。おそらく円谷プロさんも同じ思いなのではないでしょうか。

『かいじゅうステップワンダバダ』【放送概要】
・放送日:
2020年9月25日(金)より、毎週金曜午後5時20分から放送
・放送局:NHK E テレ
・話数:全26話
・声の出演:久野美咲 福圓美里 真堂圭 ねいろ 渡辺明乃 岩崎諒太 原涼子 潘めぐみ ひいろ 関智一
[第 2 シリーズ 新キャスト]飯田里穂 金田朋子 のん 田中裕二(爆笑問題)
・ナレーション:中尾明慶
・キャラクターデザイン:きはらようすけ
・監督:うもとゆーじ
・シリーズ構成:青池良輔
・脚本:山田由香、伊藤公志
・オープニングテーマ:ケロポンズ
・音楽:立山秋航
・製作:円谷プロダクション・NHK エンタープライズ

(C)cTPC (C)cKSW