認知科学者の苫米地英人氏が提唱した心理学上の人格であるドリームキラーについて解説します。

ドリームキラーとは

ドリームキラーとは、人の夢や希望を邪魔する存在です。否定的な言葉によって、相手の夢や目標の邪魔をする人たちを指します。あなたの夢を邪魔したり、希望を口にしたときに否定したりする存在がいたら、要注意です。

2種類のドリームキラー

ドリームキラーは、「意識的ドリームキラー」と「無意識的ドリームキラー」の2種類に分けられます。それぞれの違いはどのようなものなのでしょう。

意識的ドリームキラー

意識的ドリームキラーとは、意地悪であなたをおとしめようとしている人です。

例えば、あなたをライバル視している人などが意識的にドリームキラーになり得ます。表面上は良い人を装っている可能性があるので、ドリームキラーだとわかりにくい場合があります。

無意識的ドリームキラー

無意識的ドリームキラーとは、自分では自覚がなく、相手の夢をつぶすような発言を繰り返す人です。

例えば、あなたの親や先生、友人などの身近な人物がこのパターンになり得ます。 無意識的ドリームキラーは、あなたのことを本当に心配して発言しています。決して悪意があってそのような行動をしているわけではないのです。

ドリームキラーへの対策8つ

以下、ドリームキラーと遭遇した際の対処方法について紹介していきます。

  • 「ドリームキラー」にどう対応する?

対策1 : 反論を準備しておく

ドリームキラーの嫌味や否定的な意見に対処するために、反論を用意して対抗しましょう。ドリームキラーにはいくつかの決まり文句があるので、それに対する答えを事前に準備しておきます。

たとえば「そんなことができるわけがない」と言われたら「長年の研究で実証されている」、「どうせ途中で投げ出すんでしょ」と言われたら「綿密な計画を立ててスケージュールをしっかり組んでいるから大丈夫」などといったように。

対策2 : 目標を話さない

そもそも、ドリームキラーに未来の話をしないことも対策法の一つ。

ドリームキラーに将来のビジョンや夢の話はご法度です。なぜなら、ドリームキラーはあなたに嫉妬しているので、あなたが自分以上に幸せになる可能性のあるプランは聞きたくないのです。

対策3 : 自己肯定感を上げる

ドリームキラーに対抗するために、自分の自信を高めておきましょう。

自信満々な人は、人から何を言われても聞く耳を持ちません。つまりは、自分を肯定する気持ちが強ければ、ドリームキラーの言葉は気にならないはずです。

自己肯定感を上げるためには、小さな目標を定めてそれを実行していきます。目標は、自分ができる範囲に設定します。小さな成功体験を積み重ねて大きな自信へとつなげていきましょう。

対策4 : 気にしない

ドリームキラーは常に人を批判しているので、受け流す対応で切り抜けましょう。

ドリームキラーのセリフは気にしないようにしましょう。ドリームキラーの言葉がもっともらしく正当な意見だったとしても、「自分とは関係ない」と聞き流すことも一つの手です。

対策5 : モチベーションを上げる

ドリームキラーの言葉を信じているとやる気がなくなるので、反対にそのマイナス発言をバネにしてモチベーションを上げていきましょう。

モチベーションがアップしていないと、夢に向かって進めません。身近にドリームキラーがいるのであれば、その人の言う言葉と反対の行動を取って打ち勝つぐらいの、負けない姿勢が大切です。

対策6 : 事後報告する

ドリームキラーは相手の変化や夢・希望を嫌っているので、事を起こした後で情報を公開した方が邪魔されずに済みます。

ドリームキラーには何を言っても反対されるので、事後報告で対処するのが得策です。過程は見せずに、自分の夢に向かって黙ってどんどん行動を起こしてしまいましょう。

対策7 : 論理的に話す

ドリームキラーとは、感情を出さずに論理的に話すとよいでしょう。

現実主義者なのにマイナス思考で感情的になりやすいドリームキラーに有効な手段です。現実に向き合わせる意味で、感情を抜きにして論理的に語りかけると冷静さを取り戻してくれるからです。

最初から筋道を立てて丁寧に納得するまで説明して上げると、理解してくれる可能性があります。

対策8 : 少しずつ伝える

ドリームキラーは相手の変化を嫌うので、夢や目的があれば徐々に伝えていくとよいでしょう。

突然のハッピーな出来事や夢の実現はドリームキラーの気分を悪くして攻撃性を増す材料になります。身近な人がドリームキラーである場合にどうしても伝えなければいけない将来のビジョンがあります。

そのようなときは少しずつ報告して、いつの間にか変わっていたという状況を作り出してください。ドリームキラーからの攻撃を逃れられます。

ドリームキラーの心理とは

ドリームキラーの心理状態は妬みと嫉妬といわれています。

このような感情は、どんな人にも起こります。たとえその人が成功者やお金持ちであったとしても、その人なりの立場の中でドリームキラーに陥る可能性があるからです。

周囲の人間を良く観察して、嫉妬の対象になるような言動は控えるように心掛けましょう。また、自分自身がドリームキラーにならないように、心の中を制御しながら生きていく心構えが大切です。

ドリームキラーの攻撃方法

ドリームキラーの攻撃方法にはパターンがあるので、それらを紹介していきます。

ドリームキラーが言う言葉は、常にもっともらしく聞こえるものばかりです。正しい内容であるため、惑わされやすいのです。たとえそれが正論であったとしても、悪意の心から発せられたものはわたしたちにとってマイナスの作用しか起こしません。気をつけましょう。

ドリームキラーは以下の2つの攻撃方法が有名です。覚えておきましょう。

疑ってくる

ドリームキラーは目標達成までの方法を疑ってくるので注意が必要です。

夢に向かってがんばっている途中で、そのプロセスを批判してくるドリームキラーが多いです。まだ目標に達成していない段階でやり方を否定されると、迷いや自信喪失を招く恐れがあります。

ドリームキラーの言葉を鵜呑みにしないように気をつけましょう。

批判してくる

ドリームキラーは根本的な部分で攻撃してくるので注意が必要です。

目標達成のための工程ではなく、そもそもあなたにその夢は向いていない・不可能だなどと言って攻撃してくるドリームキラーが多いです。根源的な部分を否定してくる言葉を吐いて夢を邪魔してきます。

このような内容の話には、耳を傾けないようにしましょう。

ドリームキラーと上手に付き合おう

ドリームキラーと上手に付き合い、自身の夢を叶えていきましょう。

ドリームキラーはあなたの夢を邪魔する存在ですが、あなたをサポートしてくれる人物に変化する可能性もある人間です。なぜなら人間は、環境やそのときの状況によって、心理状態が大きく変わるからです。

ドリームキラーと上手に付き合い、彼らの心理を逆手に取り自分のモチベーションとして取り込み、夢の実現に役立てましょう。