JR東日本秋田支社は4日、五能線・津軽線などで活躍するキハ40・48形の後継車両となる電気式気動車GV-E400系の報道公開を実施した。秋田・青森地区では両運転台の車両を11両、片運転台の車両を12両(2両編成×6編成)、計23両を投入する予定だという。
GV-E400系は先に新潟地区で投入され、2019年8月から営業運転を開始。磐越西線・信越本線(会津若松~新津~新潟間)と羽越本線(新津~酒田間)、米坂線(米沢~坂町間)で運行され、これらの線区で活躍していたキハ40系列の気動車を置き換えた。
国鉄時代に製造されたキハ40系列の気動車(キハ40・47・48形)は、エンジンの回転力をトルクコンバータと減速機で動力を伝達する「液体式」の駆動システムを採用していた。一方、後継車両のGV-E400系はエンジンで発電し、電車と同じ駆動システムで動力を伝達する「電気式」を採用。JR東日本が数多く所有する電車で培ってきた技術やメンテナンス方法をGV-E400系でも生かすことにより、安全・安定輸送と質の高いサービスの提供を実現するという。
GV-E400系の外観は力強さとシンプルさを兼ね備え、長年にわたり沿線の日常を支える公共交通機関としての信頼感・安定感とともに、時代が移り変わっても風化しないデザインに。秋田・青森地区に投入される車両は、車体前面・側面の帯を青系の配色としており、車窓の日本海と空の色をグラデーションで表現したとのこと。車内の座席も日本海にちなんだ青系の配色となっている(優先席は異なる配色)。4人掛け・2人掛けのボックスシートとロングシートを配置し、世界遺産・白神山地のブナをイメージしたという木目調の装飾を座席の仕切りや天井に施した。
報道公開された片運転台の編成(GV-E401-17・GV-E402-17)では、各車両の連結部付近に優先席があり、車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースと車いす対応トイレも設置。防犯カメラも車内に設けた。片運転台の編成(GV-E401形・GV-E402形)の定員は2両合計で232名。両運転台の車両(GV-E400形)は定員99名。GV-E400系の乗降扉は片側2カ所(片開き)、有効開口幅1,000mm、床面高さ1,150mm、最高運転速度は100km/hとされている。
GV-E400系の秋田・青森地区における運用区間は、五能線(東能代~川部間)と津軽線(青森~三厩間)の全区間と、奥羽本線の秋田~東能代間・弘前~青森間。7月中旬以降、川崎重工兵庫工場で製造された車両が順次搬入されており、8月上旬から各種訓練等を実施している。営業運転開始は12月頃の予定と報じられた。
なお、秋田・青森地区に投入されるGV-E400系のうち、1両が現在、八高線高麗川~高崎間で行われる走行試験のために貸し出されている。走行試験の期間は2020年9月から2021年1月までとされ、12月頃をめどに片運転台の編成も貸し出す予定とのことだった。