新型コロナウイルスの影響でさまざまなイベントやライブが中止になるなど、エンターテイメント業界は大打撃を受けているが、この状況を乗り越えようとオンラインを使った新しい取り組みが誕生している。音楽業界ではアーティストが無観客配信ライブに挑戦。さまざまな動画配信サービスで実施されているが、サザンオールスターズやももいろクローバーZのライブを配信したGYAO!は、画質や安定性で高い評価を得ている。

GYAO コンテンツビジネス本部 イベント配信 チーフプロデューサーの津田正雄氏にインタビューし、ライブ配信の手ごたえや成功要因、今後の展開などを聞いた。

GYAO コンテンツビジネス本部 イベント配信 チーフプロデューサーの津田正雄氏

6月25日に開催されたサザンオールスターズの無観客配信ライブは、8つの動画配信サービスで一斉同時配信。大御所アーティストの新たな挑戦は大きな話題となり、総視聴者数は推定約50万人、演出にも工夫が施された22曲の熱唱に視聴者から感動の声が続出し、大成功を収めた。

津田氏は「視聴者に対してもそうですが、音楽業界にも大きなインパクトを与えることができたと思います。サザンオールスターズさんが挑戦し、実際に視聴者が感動するような素晴らしいライブで、興行面でも、視聴者からの反響も非常にいい効果があったということで、これはいけるんじゃないかと、そこから一気にペイパービュー(有料視聴)が増えたと思います」と振り返る。

サザンのライブは、収益の一部がアミューズ募金を通じて、新型コロナウイルス感染症の治療や研究開発等をはじめとする医療機関に寄付されたが、津田氏は「寄付もされ、サザンオールスターズさんが動かれることによって業界に大きな波を作られているのは素敵なことだなと感じましたし、そこに我々GYAO!も関わることができてうれしい」と語った。

ももいろクローバーZも6月25日にGYAO!でライブ配信を実施。こちらはGYAO!独占で配信された。サザンとももクロのGYAO!でのライブ配信に、SNS上では「画質も音も良い」「安定して高画質高音質だった」「ライブ配信のクオリティ高い」「安定のGYAO!だな」などと評価するコメントが見られた。

津田氏は「『GYAO!が一番画質がいい、音質がいい』という声がたくさん聞かれてうれしかったです」と反響を喜び、「サーバーなど裏側の技術的なところが我々は強いという自信があります。いまだかつてサーバーが落ちたことがありません」と強みをアピール。「『安心・安全のGYAO!』です」と胸を張る。

その安定性を証明しているのが、『M-1グランプリ』の決勝戦直後に実施しているファイナリスト出演のスペシャル生番組だ。津田氏は「『M-1』のスペシャル番組は、地上波と連携しているコンテンツ。無料で配信しており、地上波を見ていた人がそのままGYAO! に訪れてくださるので相当な同時接続数がありますが、それにも耐えられているので、有料のライブ配信にも耐えられる自信がありました。」と説明した。

そして、「サーバーが落ちないという点に関しては、Yahoo!グループとして対応してきているので、もともと強いんです。今ペイパービューが盛り上がって新しい会社もできていますが、僕らは今まで対応してきた歴史・実績があるので、そこに対しての自信はありますし、その自信はこれからも揺るがないと思います」と語った。