テレワークが当たり前となると、自宅のIT環境もそれなりに整備する必要がある。しかし、すべての機器を購入する資金がない人もいるだろう。そんな時、手持ちの古い機器を再利用して、テレワークの環境を構築するのも手だ。

以下、カスペルスキーの公式ブログ「ホームオフィス改善のすすめ:古い機器の再利用」を参考に、使わなくなった機器を使って、安全かつ快適なテレワークを構築する方法をまとめてみたい。

PCを整備

古いPCはコンポーネントをアップグレードしたり、不要なファイルやプログラムを削除したりすることで、再利用が可能になるかもしれない。ノートPCだったら、USBキーボードと液晶パネルを追加で購入すれば、利便性が上がるだろう。

古いPCを整備しても、動作が遅かったり誤作動したりする場合は、OSを再インストールしてみるといいだろう。その際、MacはmacOS復元機能を使う。Windowsはインストールディスクを使用するが、インストールディスクがない場合は、MicrosoftのWebサイトからOSのインストールイメージをダウンロードする。

ITの知識があるなら、メモリを増やしたり、HDDをSDDに交換したりするという手もある。ただし、新しいコンポーネントは古いコンピュータと互換性がなくてはいけないので、要件を確認しておく必要がある。

タブレットの再利用

古いタブレットも追加のモニターとして利用することができる。追加のモニターとして使うには、タブレットとコンピュータに、iDisplay(iOS版、Android版)、Duet Display(iOS版、 Android版)などの専用のアプリをインストールする必要がある。

ブログでは、無料のアプリは、多数の広告が表示されたり、試用期間しか動作しなかったりしがちであるほか、必要以上の権限を要求するアプリもあるとして、注意を呼び掛けている。

Wi-Fiルータやスマートフォンでネットワークを強化

自宅で仕事をするようになって気になることの1つが、Wi-Fiの接続環境かもしれない。まず、古いWi-Fiルータは、メインのルータと他のデバイスの間で中継器(Wi-Fiリピーター)として使うことが可能だという。ルータをリピーターモードに設定する手順は機種によって異なるため、マニュアルが確認いただきたい。

また、余分なルータがなければ、古いスマートフォンをアクセスポイントにすることが可能だ(インターネット共有に対応していない旧型のスマートフォンは不可能だが)。スマートフォンをアクセスポイントとして使用するには、データ通信量が無制限で、他のデバイスのテザリングに制限のないSIMカードが必要だ。SIMカードを挿入したら、スマートフォンの設定で、アクセスポイントとして使うためのオプションを有効にする。

スマホ、タブレット、デジカメをWebカメラとして使う

テレワークをするようになってWeb会議をするようになったことで、Webカメラの利用も増えたのではないだろうか。しかし、ノートPCのカメラは画質がよくないことが多く、デスクトップPCの多くはカメラを内蔵していない。そこで、古い機器がWebカメラとして代用すればよい。

まず、スマートフォンやタブレットのカメラは、それほど新しいものでなくても、そこそこの画質を提供できる。これらのカメラをWebカメラに転用するには、PCとスマートフォン(またはタブレット)に専用のアプリをインストールする必要がある。

その基本的な手順は、スマートフォンとPCに同じアプリをインストールし、これらデバイスを同じネットワークに接続し、必要であれば設定を行う、というものだ。

また、デジタルカメラもWebカメラとして利用できる。最近は、スマートフォンのカメラが高機能になったため、デジタルカメラを使う人が減ったが、1台くらい持っている人が多いのでないだろうか。

デジカメをWebカメラとして利用する場合もアプリが必要だ。ブログでは、よく使われるアプリとして、WindowsではSparkocam、macOSではEcamm Liveが紹介されている。どちらも有料だが、Webカメラを買うよりは安く済みという。

  • 「Sparkocam」の画面