――キャプテンとして厳しいことも言っている姿も映画では映されていましたね。憎まれ役じゃないけれどキャプテンってつらいなって、思うこともあるのでは?
佐々木久美:それがみんなすごく優しくて…本当に優しいんですよ。ダンスの面でこういう風にしたほうがいいと言っても、みんながすごく大人なので、私たちのために言っているという雰囲気をすごく出してくれるんです。なんかまた言っている、みたいなことを感じたことは1回もないです。本当にみんな優しくて、日向坂は素敵なグループだと思います。
――日向坂46のみなさんは確かに優しいイメージがありますよね。
佐々木久美:私たちは人数が20人程度なので、ひとりひとりと会話する時間があります。ひとりひとりと、ちゃんと話ができることは強みかもしれないです。
――キャプテンとして転機になったなと思った瞬間はあったのですか?
佐々木久美:最初はこういう性格なので、やりたくはなかったんです。みんなの先頭に立っていくことも向いていないなって思っていたので、「なんで私が?」と思ったこともありましたが、時が経つにつれて、そういう思いを吹っ切ってやっていかないといけないなという気持ちになりました。そこからは胸を張っていこうというと思うようになりました。
――個人として雑誌の専属モデルも務めていますが、モデルのやりがいや面白さはどう感じていますか?
佐々木久美:私は本当に自分に自信がないので、最初はすごく撮影が怖くて……。ネットとかみんなで一緒に見ちゃうタイプで(笑)、(専属モデルの)5人が一斉に叩かれていたので、実力で専属になれたわけじゃないのかなって思ってしまい、本当に自信がなくなって撮影のたびに怖かったんです。アイドルの時とポージングもまったく違うし、カメラマンさんにも「もっとこうして」と言われたりして、「ごめんなさい!」みたいな気持ちでずっとやってました。でも、ほめてくださる方々もたくさん出てきて。そうしたらある日、実家に雑誌が山積みになっていたことに気づいたんです。お父さんは熱心に雑誌とか買うのですが、母はあまり自分から買ったりしないのですが、『Ray』だけは毎月買って大事にとっておいてくれて。それがすごくうれしくて、もっと頑張ろうと思うようになりました。
――今は楽しいですか?
佐々木久美:すごく楽しいです。ポージングが違うことも楽しいと思えるようになってきて、お洋服がそもそも大好きなので、いろいろなお洋服が着られることもうれしいですし、アイドルとは違う新しい一面を見せられるということが喜びに変わって、毎月撮影も発売も楽しみになりました。
――グループにおける自身の目標は何でしょう?
佐々木久美:日向坂46という名前がもっと大きくなって、ちゃんとそれに見合った実力で自分たちも進んでいきたいなってすごく思います。自分たちの今のセールスポイントは全力で気持ちよく取り組み、観ている人も楽しくさせることが目標なので、そういう気持ちも忘れずに目の前にあることをひとつひとつ大事に積み上げて行きたいなと思っています。
――今後の個人としての目標はいかがですか?
佐々木久美:もっと自分にしかできないことを見つけていきたいなって思います。いまは女優業をやっているメンバーがいたり、ゲームのお仕事しているメンバーがいたり、最近はそういうことが顕著になってきたのですが、自分は何もできていないなって思うんです。でも、面白いことが大好きなので、そういうことに関わりたいと思っています。
――具体的には、どういうことですか?
佐々木久美:私は芸人さんが大好きで、バラエティしか観ないんです。録画もバラエティばかりで、毎日その録画を消費することに必死です(笑)。私の中のレジェンドは、サンドウィッチマンさんとオードリーさんで、そのお二方の番組は全部観ています。もちろん第7世代の若手の方もすごくいっぱい観ているのですが。サンドウィッチマンさんは全部のネタを観ていて、毎年ライブも応募していますが外れちゃって(笑)。面白いことが大好きなので、自分がそういうものに関われたらいいなあと。私が面白いことをするというよりは、そういう現場で関わっていれば幸せだなと思うので、もっと頭の回転が速くなればいいなと思っています(笑)。
1996年1月22日生まれ。千葉県出身。2016年、「けやき坂46オーディション」に合格。大学を卒業した2018年、けやき坂46のキャプテンに就任。以後、日向坂46でもキャプテンを務め、グループを牽引している。グループで出演したテレビ東京系ドラマ『Re:Mind』(2017)、日本テレビ系ドラマ『DASADA』(2020)で演技にも挑戦。2019年4月号より女性ファッション誌『Ray』の専属モデルに起用され、ファッションイベントなどでも活躍している。
衣装:トゥービー バイ アニエスベー