主演・生田斗真×脚本・宮藤官九郎によるNHKの特集ドラマ『JOKE~2022パニック配信!』が、10日(総合 22:00~22:45)に放送される。このたび作品が完成し、生田と宮藤がコメントを寄せた。

  • 主演の生田斗真

本作は、ポストコロナの近未来を舞台に、45分間ノンストップで生配信されるネット番組『俺んちチャンネル』の映像をベースに視聴者のコメントと電話の声のみで描かれる、主人公たったひとりの恐怖の時間。

漫才コンビ・俺んちのボケ担当・沢井竜一(生田斗真)は不祥事を起こしてレギュラー番組を降板、相方とも絶縁し自宅に引きこもっていた。AIロボットに頼めば食事の注文から掃除まで何でもやってくれるだけでなく、AIが沢井のボケを学習しネット生配信の大喜利番組『俺んちチャンネル』では相方を務めるまでに成長して、沢井は大満足なのだが……。その生配信中にかかってきた奇妙な電話のせいで、沢井はとんでもない事件に巻き込まれていく。沢井とその家族に迫る魔の手? 番組は無事終了できるのか。そして、犯人は誰なのか。

生田は「社会風刺もあり、ブラックな部分もあって、本当に宮藤さんらしい作品に仕上がっています。本来この期間にあるはずの仕事が全部延期になってしまった状態だったので、そこに『一緒に仕事しませんか』というお話をいただけた、そういうタイミングというか、縁みたいなものも感じました。とにかく、一人の芸人がステイホームで生配信をする中で社会と関わらざるを得ないというストーリーが面白いですし、こういう時代だからこそのドラマになったと思います」と魅力を紹介。

宮藤とのタッグについて、「1回読んだだけで、あちこちに張られた伏線がスッと回収されて腑に落ちてしまうような脚本になっていて、宮藤さんはさすがだなと思いましたね。ゲラゲラ笑いながら読みました。撮影が始まるまであまり日はありませんでしたが、ずっと台本を読んで過ごしていたので、宮藤さんが何を求めているのかを感じながら深いところまで読みこめた気がします。脚本家とのやりとりは、その深いところにあると思っていて。『このセリフはこういう風に言ってください』と直接指示されなくても、全部台本に詰まっているような気がするんです。ある種ラブレターのようでもあり、設計図のようでもあるので、それを読み解くのが楽しい。そういう深いやりとりを宮藤さんとは長年できているような気がします」と語る。

また、「本当にほぼ一人芝居なので、台本まるまる1冊暗記した感じです(笑) ドラマの起承転結や緩急を自分のお芝居でつけていかなければいけないというのは、かなりチャレンジングだったなと思います。長回しで撮影していたので、演劇に近いような感じでした。AIスピーカーや電話とのやりとりは、相手の役者さん全員が現場に来て下さいました。生でやりとりできたので、ちょっとした間とかもリアルになり良かったなと思います」と振り返った。

そして、演じた沢井という役柄について、「沢井は不祥事を起こして自粛生活を送っています。『TVなんか出たくないし、ネットで生きていけるし』と言いますが、それは強がりで、悔しさや、さみしさ、誰かとつながっていたいという気持ちがあるんだろうと思いながら演じていました。芸人なので一発ギャグを披露する場面もあるんですけれど、台本には一発ギャグが文字だけで書いてあるんです。これを普通に読んでも一発ギャグには聞こえないので、家で言い方や動きを考えたのですが、その時は芸人さんって大変なお仕事だなと思いましたね」とコメント。

さらに、「TVをつけても暗いニュースが多く、気が滅入ってしまうことばかりかもしれませんが、このドラマを見ている時間は、安らげる時間が提供できたらと思っています。笑ったり、ドキドキしたり、ハラハラしたりと、楽しんでもらえたら。最初から最後まで飽きないで見られるようなドラマになっているんじゃないかなと思います」と視聴者にメッセージを送った。

宮藤は「『テレビに見切りをつけたお笑い芸人が自宅から動画の生配信を始めると、 1本の脅迫電話がかかって来て…』という物語を水田監督と昨年ぐらいから、温めていたのですが、現実の方がどんどん先に進み『テレワーク』『リモート』『ステイホーム』が当たり前になってしまいました。これは今こそやるべき企画なんじゃないか。何しろ出演者は(ほぼ)たった一人。三密になりようがない。むしろ早くやらないと。見切り発車で書いた割にはうまく行ったと思います。制約を逆手に取った挑戦的なリモートドラマ。何より、生田斗真くんのスケジュールが空いてた! という奇跡。45分の膨大な(ほぼ)独り言。お楽しみに」と語っている。

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