テレワークとは、会社に出社しなくても、時間や場所にとらわれずに仕事をこなすことができる、新たな働き方を指す言葉です。 テレワークを行う人のことをテレワーカーと呼ぶのですが、国土交通省によると狭義では「仕事でICTを利用している人かつ、自分の所属する部署のある場所以外で、ICTを利用できる環境において仕事を行う時間が1週間あたり8時間以上である人」をテレワーカーと定めているようです。

  • テレワークのメリットとデメリットをしっかり把握しましょう

テレワークの3つの形態

時間や場所にとらわれずに仕事ができるということで、テレワークの需要も高まりつつありますが、テレワークは大きく3つの形態に分けて考えられています。

テレワークの3つの形態は、定番の在宅勤務をはじめ、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務に分けられます。テレワークの3つの形態が具体的にどういった働き方なのか1つずつ確認していきましょう。

形態1: 在宅勤務

1つ目の在宅勤務についてですが、その名の通り、自宅にいながら日々の業務をこなしていく働き方です。 電話やメールで会社から指示を受けて、インターネットを利用して業務をこなしていきます。誰からも背中を押してもらうことができない環境なので、自発的に業務に取り組める方に向いている働き方だと言えるでしょう。

形態2: モバイルワーク

2つ目のモバイルワークについてですが、車内や喫茶店(カフェ)、出張先など、場所にとらわれずにノートPCやスマホ、タブレットといった、モバイル端末を駆使して業務を遂行する働き方のことです。 在宅勤務の場合、自宅が仕事をする場所でしたが、モバイルワークは場所を選ばないので、ノマドのような働き方をイメージするとわかりやすいでしょう。

形態3: サテライトオフィス勤務

テレワークの形態の3つ目のサテライトオフィス勤務とは、レンタルオフィスなど、勤務先と違うオフィススペースに、状況に応じて勤務する働き方です。 近年では、大企業を中心に業務の効率化を目指して導入されているので、今後もテレワーク化の加速とともにサテライトオフィス勤務も増えていくことでしょう。 やむをえず自宅から遠い場所に出勤できない方だったり、事務作業がメインの仕事をされている方に適した働き方と言えます。

テレワークのメリット7選

インターネットの進化と地球環境の変化により、テレワーク化の加速が予想されていますが、テレワークをするとどういったメリットが得られるのか気になっている方も多いことでしょう。 それでは、目に見えて得られるテレワークのメリットをいくつかご紹介していきましょう。

  • テレワークのメリットを詳しく紹介します

メリット1: 生産性が向上する

テレワークで得られるメリットの1つ目は、日々の業務の効率化が期待できるため、生産性を大幅に向上させられる可能性があることです。 出社して業務をしているときと比較してみると、顧客への対応も迅速かつ、丁寧に行うことができます。また、集中できる環境(部屋)を確保できれば、集中的にタスクをこなしていくことができるので、業務効率の大幅な向上も見込めます。

メリット2: ワークライフバランスの実現

テレワークのメリットの2つ目は、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を実現させられる点です。テレワークで在宅勤務メインに働き方がシフトすることで、大切な家族と過ごす時間が増えますし、同じ空間にいて同じ時間を共有することで、夫婦、親子間での絆も一層深められます。また、自分のやりたかったことをする時間が確保できたり、学びたかったことを勉強する時間も確保できます。

メリット3: 優秀な人材を確保しやすくなる

テレワークのメリットの3つ目は、やむをえない事情で離職してしまうような優秀な人材も確保しやすくなることです。乳幼児の育児や両親の介護に追われて仕方なく会社を去っていった方も少なくないでしょう。しかし、テレワークであれば在宅で対応可能なので、会社としても優秀な人材を逃さなくてすむので、大きなメリットだと言えます。

メリット4: オフィスコストを削減できる

テレワークのメリットの4つ目は、毎月のオフィスコストの削減です。テレワークに移行する社員が増えることによって、オフィススペースを削減したり、通勤定期代などの交通費を削減できたりします。また、日頃の業務で使用する資料、書類などを電子ファイル化すれば、印刷コストの削減も実現できます。

メリット5: 社会全体で雇用を創出できる

テレワークのメリットの5つ目は、各自の事情によって就職が困難な人も働ける可能性が広がるなど、社会全体で雇用を創出できることです。会社への通勤が難しい障がいを持った人にも雇用の機会が広がりますし、定年退職したけど働く意欲が溢れている高齢者にも再雇用の機会を与えることも可能になります。また、遠方だからという理由だけで断念していた優秀な人材を雇用することもできます。

メリット6: 環境負荷を減らせる

テレワークのメリットの6つ目は、多くの社員が通勤しなくなることによって、電気消費量の削減など環境負荷を減らせることです。 環境問題で長年わたり課題とされてきているCO2排出量についても、車通勤をする社員や営業回りでの車の利用数が減っていけば、自動車利用の減少によるCO2排出量削減にも期待できます。

メリット7: 事業継続性への貢献

テレワークのメリットの7つ目は、予期せぬ緊急事態の際にも事業継続性への貢献ができる点です。日本は地震をはじめ非常災害が多い国でもありますし、直近だと新型コロナウイルスにおける緊急事態宣言で不要不急の外出が禁止されるなど、初めての経験で事業継続が困難になった会社も多数出てきました。その点、テレワークを積極的に導入すれば、事業を完全に止めることなく継続していくことが可能になります。

テレワークのデメリット5選

業務効率の向上など多くのメリットがあるテレワークですが、当然、テレワークだからこそ目立つデメリットも存在します。ここでは5つのデメリットについて順番にご紹介していきます。

  • テレワークのデメリットを詳しく紹介します

デメリット1: 勤怠管理が難しい

テレワークのデメリットの1つ目は、社員が直接オフィスに顔を出さないため、業務開始時間や終了時間などの勤怠管理が難しくなることです。 テレワークを導入する場合には、予め勤怠管理の把握が困難なのを理解したうえで、電話やメールで就労状況の報告を徹底するなど、普段以上に「報連相」の徹底を意識づけることが重要になります。 スマートフォンやタブレットなどの端末で使える勤怠管理ツールなどを利用するのもおすすめです。

デメリット2: 環境によっては業務に集中できない

テレワークのデメリットの2つ目は、その場で自分の背中を押してくれる存在(上司など)がいないため、環境によって業務に集中できないことです。会社に出勤していれば、たとえ気が乗らなくても手を動かす強制力のようなものがありますが、在宅勤務やサテライトオフィス勤務の場合、周りに働いている人の姿も音もないため、仕事のやる気が出ないと悩む方も多い傾向にあります。

デメリット3: コミュニケーションの減少

テレワークのデメリットの3つ目は、社員同士のやり取りも少なくなるだけでなく、在宅勤務で外出機会が減少することに伴い、コミュニケーションの機会減少が懸念される点です。テレワークでは、直接対面してコミュニケーションが取れないので、WEBカメラなどテレビ会議用のツールやチャットツールなど、在宅でありながらも手軽にコミュニケーションを取れる仕組みづくりをしておくことも重要になります。

デメリット4: オフィス出勤が必須な社員との不公平感

テレワークのデメリットの4つ目は、在宅勤務がメインの社員とオフィス勤務が必須な社員とで不公平感が生じてしまう可能性があることです。例えば、在宅勤務がメインの場合、会社に出社する必要がないため、オフィス勤務が必須の社員からすると「あの人は楽できていいな」と不公平感を抱いてしまうので、うまく理由をつけてフォローをするなど工夫が必要です。

デメリット5: 「さぼる社員」の存在

テレワークのデメリットの5つ目は、監視の目がないことによって「さぼる社員」の存在が目立つことです。オフィス勤務の場合、同僚(ライバル)が働く姿や上司の目が気になって自然と仕事に打ち込めますが、在宅の場合「サボってもバレないよな」という心理が働くため、どうしてもサボってしまう社員も出てしまいます。

テレワークにおける効率的な働き方を実践しよう

  • テレワークをすることができない仕事やテレワークに適した仕事をみていきましょう

本稿ではテレワークの形態の詳細や、テレワークを導入するメリット・デメリットについてご紹介しました。会社に勤務せずに業務を遂行できるテレワークを導入する企業は今後、どんどん増えてくるでしょう。現状、テレワークと無縁と思っている方も、近い将来どうなっていくのかイメージを膨らませながら、自分の仕事でテレワークをするならどうするのか考えておきましょう。