小田急電鉄は31日、2020年度に総額265億円の鉄道事業設備投資を実施すると発表した。新型通勤車両5000形の増備をはじめ、駅舎改良やホームドア設置、同社の歴史を後世に伝えるロマンスカーミュージアムの建設工事などに取り組むとしている。

  • 小田急電鉄の新型通勤車両5000形

2020年度の設備投資計画では、5000形の車両増備による通勤環境のさらなる改善と駅舎改良などによる「サービスの向上」、駅・踏切における安全性向上や法面改修による自然災害への対応強化など「安全対策の強化」を重点に設備投資を実施する。

新型通勤車両5000形は昨年度に1編成がデビュー。今年度は4編成を追加増備する。その他、通勤車両1000形1編成のリニューアルも実施。特急ロマンスカー・EXE(30000形)は1編成が「EXE α」にリニューアルされ、2020年5月から運行されている。

  • 新型通勤車両5000形の車内

  • 1000形リニューアル車

  • 片瀬江ノ島駅

参宮橋駅のリニューアルも進め、明治神宮へのアクセスに便利な新改札口を設置し、ホームを木の質感が感じられるデザインに改良する工事を行う。片瀬江ノ島駅では、駅舎のリニューアルが7月30日に完了。引き続き外構工事や構内店舗工事を実施する。

安全対策の強化として、下北沢駅(1・2番ホーム)と登戸駅(1・2番ホーム)にホームドアを設置し、2020年度中に使用開始する。自然災害による土砂崩壊などの被害を抑制するため、昨年度に続いて愛甲石田~伊勢原間・東海大学前~秦野間における法面の強度向上を図るほか、新たに多摩線で法面に関する健全度の確認などを実施する。踏切の安全性向上のため、昨年度に続いて3次元での物体検知が可能なレーザレーダ方式を採用した踏切障害物検知装置の設置も進める。

  • 代々木上原駅のホームの様子

  • 東北沢駅のホームの様子

  • ホームドアの設置状況と今後の計画

  • 改修後の法面の様子

  • ロマンスカーミュージアム(イメージ)

海老名駅の隣接地で建設工事を進めるロマンスカーミュージアムは2021年春の開業予定。今年度は開業に向けた建築工事や館内コンテンツの製作などが行われる。