新型コロナウイルスの影響で、「テレワーク」が急速に広がりました。以前はIT系のベンチャー企業など一部でしたが、今では社員数万人の会社も導入するなど、急にテレワーク勤務を開始した人も多いでしょう。

そして、以前であれば通勤利便性を考えて決めた住居を、生活のしやすさや、安全面、そして自宅での作業スペース確保のために郊外へ引っ越すケースも増えているそうです。

そんな中、あるツイートが話題を呼んでいました。

  • 在宅勤務に伴い引っ越したという湘南の住居 ※タップで拡大

投稿したのは、起業家、プログラマーの松本智行(@tomoyuki28jp)さん。在宅勤務になったことで、住居を同程度の家賃で借りれる湘南エリアに引っ越したそうです。

4月から在宅勤務なので、湘南の海から徒歩10分の物件に引越した。池袋の1Kと変わらない家賃(8万円台)で、大手ハウスメーカーの築浅2LDK物件があり、QOLが向上した。
(@tomoyuki28jp)より引用

この投稿に対して、「本当に素敵なお家でQOLはかなり上がりますね!」「これが本当の意味での働き方改革ですね」「過ごす時間が長い場所は、便利に快適に過ごしたいものですよね。 環境は大事」「これはいい住み替え! 2LDKあれば内でも外でも十分エンジョイできますね!」「ちょうど昨日妻と、湘南の海近の家とか最高だよねー! リモートだしー! って話をしてたので……良いなああああああああああああ!!! って思ってしまいました笑」など、その生活の変化に共感する声が多く寄せられていました。

QOL爆上がり生活

そんな松本さんに詳しいお話をお聞きしました。

――以前のお住まいはどんな様子だったのでしょう。

松本さん: 池袋駅に近い家賃8万6,000円の1Kマンションに住んでいました。狭い部屋で、仕事、食事、睡眠、筋トレをしていたので大変でしたね。

――具体的にどんな点が不便でしたか?

松本さん: あり過ぎます(笑)。収納スペースが無く、下駄箱に炊飯器を入れたり、帰宅して消毒するのに、お風呂場でするのも面倒だったので、キッチンで手洗いしたり。これは手洗いした泡や水がスポンジにかかるなど、衛生面で心配でした。

  • 池袋時代の松本さんの部屋の様子

また、自粛生活の中、1日4食を自炊していた松本さんですが、シングル向けの小さな冷蔵庫を使っていたので、ストックできる食材が限られて、よくフラストレーションが溜まったそうです。

そんな松本さんが一念発起して引っ越した新居ですが、最寄り駅から徒歩で20分程度かかるものの、「大手ハウスメーカーの築浅物件」「全部屋エアコン付き」「海から近い」など、掘り出し物件だそう。

――今のお住まいはいかがでしょうか?

松本さん: 文句なしですね! 部屋が広いので、リビングに筋トレスペースを作ったり、ソファーを置いたり、なにより収納スペースが大幅に増えて、整理整頓ができるようになりました。

  • 家賃8.7万円という住居 ※松本さんの説明を基に再現

以前の部屋では、収納スペースが無いため物が散乱、片付けが困難で、掃除しなくなるという悪循環だったと言います。しかし、今の部屋では床に物が無いので、ロボット掃除機が使え、やりやすいので頻繁に掃除するという好循環に変わったそう。

――QOLが向上したと投稿されていますが、引っ越し後の生活についてお聞かせください。

松本さん: 抽象的な言い方ですが、「望む行動を増やすには、行動する敷居を下げることが有効」の一言です。今の住居では、仕事部屋、リビング、寝室を分けることができるので、行動の切り替えが容易。仕事部屋に行くのは仕事をする時だけなので、気が散らず、集中しやすくなり、以前より格段に仕事しやすいですね。

  • スタンディングにもなるデスク、足元の奥にあるのはステッパーという仕事部屋

  • 折りたたみ式のマットレスを使って寝るという寝室

  • ソファが快適だというリビング

  • 新たに購入した大型冷蔵庫、フードプロセッサー、オーブンレンジが活躍するというキッチン

――家の外での生活はいかがでしょう?

松本さん: 以前から散歩が日課なので、10分くらいかけて、ほぼ毎日海まで歩いてます(笑)。自然の少ない街よりも格段に気持ちが良いですね。あと、シュノーケルセットを買ったので、仕事の合間に海で泳げます! 体感的には同じ家賃で「2.5倍以上良い物件」に住んでいる感覚で、自分でも信じられないくらい「生活の質」が上がったと思います。

QOLが爆上がりし、東京→神奈川への転居に差をほぼ感じないと言う松本さん、今の場所の唯一の欠点は「24時間ゴミ出しできないこと」だそう。


コロナ危機をきっかけに、企業がオフィスを分散化させ、都心部への一極集中が緩和される可能性は考えられます。そこにテレワークが普及すると、働く人にとって従来の「生活の価値観」が変わるかもしれません。