タピオカミルクティーで知られる台湾発ティーカフェブランド「ゴンチャ(Gong cha、貢茶)」。このほど新商品として「フルーツビネガー」を投入した。7月21日、ゴンチャ・ジャパン代表取締役会長兼社長兼CEOの原田泳幸氏が、発表会で同社の成長戦略を語った。

ゴンチャはグローバル展開を加速

  • ゴンチャ・ジャパン代表取締役会長兼社長兼CEOの原田泳幸氏「国内400店舗以上に」

ゴンチャは台湾の高雄で2006年に誕生し、17の国と地域でおよそ1,300店舗以上に成長。日本には2015年に初上陸し、71店舗を展開している。

「昨年はTAアソシエイツ(米国プライベート・エクイティ投資会社)がゴンチャを傘下におさめ、数年以内に世界で4,000店舗までもっていくと計画している。アメリカ、ヨーロッパのグローバルメンバーも就任し、まさにグローバル展開を加速している状況。

韓国はスターバックスが1,000店舗、ゴンチャは660店舗。日本はスターバックスが1,500店舗でゴンチャはわずか55店舗。ポテンシャルがあることは明白で、数年以内に400店舗以上にもっていく。

コロナ下の厳しい環境の中でも着実に店舗数を伸ばしており、今年100店舗までいくのではないかと期待している。世界の中で一番成長させなければならないのは日本で、責任は大きい」(原田氏)。

成長戦略は、顧客層・来店頻度・店舗の拡大

原田氏は昨年12月1日、同社代表取締役会長兼社長兼CEOに就任。「(コロナ下の)厳しい中であるからこそ、守りと攻めと筋肉質の組織をつくる大きな変革を進めてきた。特にアフターコロナ、ポストコロナの成長戦略は極めて重要」と語り、成長戦略を「顧客層の拡大」「来店頻度の向上」「店舗の拡大」の3つとした。

「ゴンチャ=タピオカミルクティー、若い女性の店というイメージが強いが、それ以上にアジアンカフェのニーズはあると確信している。もっと多くの顧客層にご来店いただくのは、大きなチャレンジでありチャンス。いきなり高齢者の方にシフトするというのではなく、今までのお客様を大切にしながら、20代、30代、さらに男性、キッズ&ファミリーを見据えなければならない」(原田氏)

今年2月に黒糖ミルクを発売、学生価格を導入、6月にコーヒーを発売、そして今回の新商品と、続けて新施策を打ってきた。秋にかけてもまた"今までにないゴンチャらしい商品"を開発しており、フード展開も予定。新商品を投入しつつも、店舗ではメニューとオペレーションを最適化し、注文してから3分の提供を目指す。実店舗、居抜き物件(ステーション)、既存キッチンの活用でデリバリーにも注力していく。

新商品「フルーツビネガー」は、韓国大手CJグループの日本法人CJ FOODS JAPANとのコラボレーションにより生まれた。「今までのゴンチャにはまったくなかった発想のものを実現することができた。今後もCJとはいろいろなコラボレーションを図っていきたい」(原田氏)。

  • (左から)CJ FOODS JAPAN代表取締役社長 林暻逸氏、ゴンチャ・ジャパン代表取締役会長兼社長兼CEOの原田泳幸氏

  • 「フルーツビネガー」にはCJ FOODS JAPANの100%果実発酵の飲むお酢「美酢(ミチョ)」が使用されている

  • ジューシーなフルーツソースにぷるぷるのこんにゃくゼリー、さわやかな味わいで暑い夏にもごくごく飲める

店舗の拡大に重要視するのは、FCパートナーの成長。現在、FCパートナー14社が多店舗展開している。店舗のFC割合は現在8割で、今後も8割もしくは8割以上にしたいという。商圏が重ならないように"マッピング"しながら、さらにパートナーを数十増やしたいとしている。

「コロナの影響で、東京、大阪など大都市圏の人の戻りは7割くらいといわれているが、ゴンチャ店舗の日販の戻りには地域差がある。全体的には20数%の落ち込みで、渋谷、新宿など売り上げが高かった都心は戻りが遅い。かたや少し郊外にいくと前年対比100%超えている店舗もたくさんある。コロナで予見できない状況の中では、ど真ん中はかなりリスクが高い。都心と郊外の中間がスイートスポットと思っている」(原田氏)。