買っても買っても、“物欲”は尽きないもの。きっと多くの人が振り回されていることを自覚しながら、それでもどうすれば手放せるのか分からない、と悩んでいるのでは?

そんな中で、「物欲から自由になるためのヒント」となりそうなツイートが話題になっていました。ツイート主は、京都で企業の代表取締役を務めるみやさん(@38mtst)です。

  • 買っても買っても満足できない…。本当に幸せ? ※画像はイメージ

私、死ぬ時に「バーキン持っててよかった」とも「ポルシェ乗っててよかった」とも思わんやろな。と気付いてから、物欲が無くなった。今は、「心から熱中できる仕事をしててよかった」「自分以上に大切に出来る人がいてよかった」と思いながら死にたいので、それに向かって自分の時間を使う日々です(@38mtstより引用)

バーキンもポルシェもめちゃくちゃ美しいし素敵やと思います。認められる物には、その理由がある。ただ、やはり「モノ」自体が人生や心を満たし続けてくれることはありません。 ですが、「モノ」にこもった、思い入れや思い出、背景などは、自分の人生や心を満たし、豊かにしてくれるとは思います。

評価される“物”は美しく、認められる理由がある。ただ一方で、死ぬときに「所有物」のことは考えない。自身の誇れる経験や大切にできる人のことを考えたい……そんな気持ちに気付いたとき、物欲は消えて無くなったんだそうです。「死」という人生のゴールを長い目で見たときにこそ至る境地。ウウム、深いです……。

みやさんに、この悟りにも近い発想に至ったきっかけを聞いてみました。

所有や消費に深い意味を求めはじめている

「きっかけは、2つありました。1つ目は、父の会社で働くスタッフにはじめて会ったことです。

父は会社を経営しており、私は裕福な家庭で育ちました。周りも裕福な家庭の友人ばかりで……。そんな環境が当たり前のまま生きてきました。

25歳の時に父の会社で働き出したのですが、その初日に、初めて父の会社のスタッフさんにお会いして、ご挨拶させていただいたんですが、そのときに『あ、この方達がいれくれたから、私はずっと裕福な生活を送れてたんや……』と、まさに青天の霹靂のように気付いたんです。そこから、所有やお金の使い方に対する考え方が変わったと思います」。

――自分を支えてくれていた、多くの人がいたことに気付いたんですね。

「もうひとつは、『自分の人生の満足度を上げよう』と思い始めたことです。私の父や周りの経営者さん達が、当たり前のように自分の人生を思う存分楽しんでいるのを見て、自然とそう考えるようになっていったのかと思います。

そういう中で、あるとき「自分の幸福度や満足度を直接上げてくれない“物”に、時間やお金を費やすのはもったいない」という答えにたどり着きました。自分が満足いくものにだけお金を使おう! と決心できました」。

――今回のツイートが大きな反響を生んでいるかと思います。率直なご感想などはありますか?

「包み隠さずに言うと『このツイートの、何がそんなに良かったんやろう……?」というのが、正直な感想です(笑)。

ただ、物理的に恵まれすぎている現代の日本で、きっとたくさんの方が“物”の所有や消費に、深い意味を求めはじめているのかなと。意味のない、背景のない、思い入れのない消費に、どこか無意識ながら、漠然とした疑問を感じている方が多かったのかなと今は思っています」。

投稿を見た多くの読者から「モノは自分を高めてくれる。しかし最後はもっと大事な何かですね」「とても共感します。モノは死んだら持っていけない。想いは誰かに残り続ける」「共感できます。モノより思い出ですね」と多くの共感が寄せられていました。