近頃はオリジナル料理の様子を公開した動画が人気のYouTuberが真っ盛り。「料理男子」への支持率はうなぎ上りのもようだ。そこで今回は手作りの肉餃子で、彼女が身も心も満足しちゃうおもてなし料理に挑戦。コーチは鎌倉で人気のワイン&餃子の名店「鎌倉餃子UMINECO」店長の刀根幸二さん。お店の本格餃子をベースに、自宅でも再現可能なオリジナル餃子の作り方を特別に教えてもらった。
【Step01】仕込み材料:塩は必ず計量器で計る
肉餃子2人前20個
●餃子の皮........................................20枚
【具材】
●牛肉................................................175g
●豚肉................................................75g
●キャベツ........................................100g(1%の塩で塩もみ)
●ニラ................................................50g
●長ネギ............................................25g
【調味料】
●しょうゆ........................................小さじ1/2
●酒....................................................小さじ1/2
●ごま油............................................小さじ1/2
●しょうが........................................小さじ1
●鶏ガラスープ................................小さじ1/2
●オイスターソース........................小さじ1
●にんにく........................................小さじ3
●塩....................................................1g
●こしょう........................................少々
●片栗粉............................................小さじ1
●水....................................................50cc
【トッピング】
●パクチー........................................一束
●レモン............................................一切れ
今回チャレンジするのは、見た目はおしゃれ、味はしっかりの肉餃子。ニンニクが入っていることは、おうちデートにプラス? マイナス? 付き合い始めのカップルなら微妙なところだが、距離を縮めたい2人にはプラスかも?
(1)まずは20個分の餡づくりから。牛バラ肉175g、豚バラ肉75gで7:3がベストバランス。「7:3が私はいいと思いますが、お好みで変えてもいいと思います。餃子は100人作れば、100人100通りです」。
(2)牛肉と豚肉を合わせる際には塩を1グラム加える。この時、塩は必ず計量器で図る。「塩の量だけは、みんな『量れ』っていいますね。人間がおいしいと感じるのはだいたい塩分濃度が0.8~1.2です。だから、塩の濃度を間違えるとおいしいものができません」。
(3)次に野菜。まず0.5cm角に切ったキャベツ100gに対して1%の塩、つまり1gを振って塩もみをする。これを10分ほど置いてキャベツの余分な水分を絞り出す。その間に肉に調味料を加えていく。しょうゆ、お酒、ごま油、しょうが。
(4)「しょうがは刻みでも、すりおろしでもOKですが、すりおろしの方が香りが出ます。ただし、刻んだ方が食感が残るので、噛んだときに『あ、しょうがだな』っていう実感があります。これもお好みです」。次にオイスターソースと鶏がらスープ、こしょうを少々。さらにニンニクを加えて混ぜる。
(5)次にお肉の中に水を少しずつ加える。決して一度に入れない。こうすることによりジューシーで肉汁が出てくる餃子になる。最後に塩もみして充分に絞ったキャベツ、さらにニラ、ネギを加えて混ぜれば餡が完成。これを冷蔵庫で1時間寝かせる。
●プロのこだわりポイント
「仕上がりがジューシーになるようにお肉に水を加えます。肉汁はスープです。お店によっては煮凝りを混ぜ込む方もいます。お水は何回かに分けて入れ、お肉の中に水を含ませます。そうするとジューシーで、肉汁が出てくる餃子になります。肉汁ドバー系がいい人はお水の量をもうちょっと増やすともっと出ます」。
【Step02】肉餃子の包み方:餃子は皮が主役
肉餃子は、リボンや茶巾のイメージの形に包んでいくのがUMINECO流。餡を中央に載せて半分に折りながらヒダが4つできる状態にする。その1つに水をつけて斜めに折り返して形を整えていく。これで一口サイズの形が完成。餡は入れすぎないのがポイントだ。
「餃子って、実は私は皮を食べる食べ物だと私は思っています。ラーメンが麺を食べるものであるように。言ってみれば、このお肉、餡は薬味のようなものだと捉えています。皮が主役で、皮の厚さや量と具との配分の量のバランスが味の差になってくると思っています」と刀根さんは説明する。
【Step03】焼き方:フライパンは十分に熱してから
次に焼き方について説明しよう。最初にお湯を沸かしておく。次にフライパンに油をひき、十分に熱してから餃子を並べていく。置くときには、餃子どうしをちょっとだけ付けて置く。そうすると、盛るときに分かれない。蒸し焼きにするときには、温度が下がらないよう水ではなく必ずお湯を入れるのがポイント。フタをして3分30秒、長くても4分でお湯がなくなるように火加減を調整していく。3分30秒経ったらフタを取り、最後にごま油を加えて30秒~1分の仕上げ焼きをする。餃子の底面に焼き色が付いたら完成。
【Step04】盛り付け方:パクチー&レモンでさわやかに
あらかじめテーブルやワイングラスなどをセットした上で、BGMなどを軽く流しつつ、餃子を焼く音や匂いがテーブルまで届くようにすれば、彼女の期待感が高まることうけあい。華やかさを演出するために、餃子にパクチーを一束とレモンを一切れカットしてトッピング。「お待たせ!」とテーブルに並べれば彼女のハートをわしづかみ必至。「味はそのままでもいけますが、市販のごま油&ガーリックドレッシングやヘルシーなアマニ油ドレッシングなどでもおいしくいただけます」。
「餃子は文化だ」が刀根さんの持論。地方を訪れるときは事前に餃子屋をリストアップして、必ず5~6軒はまわるという。「大きくは宇都宮系と浜松系に分かれますが、今は勢力が拮抗しているんじゃないでしょうか。私はどちらかといえば浜松系の方が好きです。なので具にはキャベツ、タマネギを入れます。宇都宮系は白菜を入れるところが多いようです。キャベツは塩もみする店と、塩もみしない店に分かれますね」。
餃子にはその地方その地方の文化が反映されるという。「神戸からは味噌餃子を学ばせてもらったし、静岡からはタマネギを入れるということを勉強させてもらいました。ネギと食べる文化は広島から教わりました。実はうちのネギ味噌餃子は結構人気メニューです」と刀根さん。彼女と餃子をつつきながら、そんな餃子文化について語り合うのも楽しいかもしれない。
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