あなたは、いまはっきりとした夢や目標を持っていますか? 仕事ならキャリアアップをして、人生をより良く変えていきたいと願う人もきっと多いと思います。チャンスをものにできる人は、いったいどんな考え方を持ち、どんな行動を続けている人なのでしょうか。

  • キャリアアップしたい人必見! 人生を変えるチャンスのつかみ方。/心理カウンセラー・中島輝

自己肯定感の第一人者である心理カウンセラーの中島輝さんに、人生を変えるチャンスのつかみ方を伺いました。

チャンスをつかむ人はチャンスが来るのを待っていない

わたしのこれまでの臨床経験から、自己肯定感の高い人は、低い人より何倍も「運に恵まれて」います。思いがけないチャンスに巡り合ったり、幸運が舞い込んできたりすることがとても多いのです。いったいなぜなのでしょう?

それは、自己肯定感の高い人は、幸運が舞い込むのを「待っていない」からです。彼らは、けっしてチャンスを逃しません。まずものごとの肯定的な面を積極的に認識し、すぐに行動を起こすことで、運を味方につけているのです。行動すると、たくさんの気づきや経験、人間関係などのフィードバックが得られます。

それらによって自分だけのデータが集まり、ますます次の行動へと踏み出しやすくなっていくわけです。

また、自己肯定感が高い人は、ただ行動が早いだけの人ではありません。たくさんの経験値があることで、ときには行動を踏みとどまり、チャンスを待てる能力も磨いています。そもそも、チャンスはどんな人にも降り注いでいます。大切なのは、そのチャンスに「気づけるかどうか」なのです。

でも、なかなか行動に移せない人でも、チャンスに気づき、「自分はチャンスを活かすことができる」と感じられる回数を増やしていけば人生を変える可能性が高まっていきます。そこで、運を味方にするために「スリーグッドシングズ」という方法を紹介しましょう。

やり方はとても簡単です。1日の終わりに、「今日良かったこと」を3つ書き出すだけ。これによって、1日1日を過ごすことへの期待感が高まっていき、自分に起きている幸運やチャンスに気づきやすくなります。

ただし、これは継続しなければ意味がありません。手帳の隅でいいので、まずは3週間を目安に続けて習慣化してみてください。やがて日々のいろいろなものごとを楽しめるようになり、行動にも移しやすくなって、いい循環へと入っていけるでしょう。

チャンスに恵まれている人は、もともと運がいい人ではありません。自分に起きたいいことも悪いことも、次のチャンスを引き出すきっかけに変えている人なのです。

夢は「具体化」しなければ実現しない

キャリアアップをはじめ、大きな夢や目標に向かって頑張っている人も多いと思います。でも、ここで陥りがちなのが、夢を妄想と間違えてしまうこと。たとえば、まだ経験が浅いのにもかかわらず、いきなり「社長になる!」「起業して成功する!」「年収1000万円を稼ぐ!」などという人がいます。

もちろん、大きい夢を持つのは悪いことではありません。でも、夢は「具体化」しなければ、夢のままで終わってしまうもの。これまで数多くのコーチングをしてきてはっきりいえることがあります。それは、

結果を出せる人は、どんなときも「具体的」だということ。

チャンスをつかめる人は、なにを聞かれても、自分がなすべきことを具体的にいうことができます。逆に、うまくいかない人は、見ている将来が抽象的です。たとえば、ダイエットなら、うまくいかない人は「やせたい」と思って取り組みます。

しかし、うまくいく人は、「今日から晩ごはんだけは炭水化物を抜く」と具体的に目標を設定し、行動に移せる人です。仕事なら、「営業チーム一番の成績を達成する」ではなく、「今週は1日○件の営業で反応率を○%にする」と、ものごとを具体的に考えられる人が、チャンスをつかんでいるのです。

そこで、毎週末に次週の目標と締め切りを「見える化」させることをおすすめします。今週やってみたいことや、得たい成果を書き出し、リストにしていつも目に入るようにしておく。すると、脳が明確なゴールを実現させるために働きだし、直感のアンテナも磨かれていきます。これを、「リマインダーテクニック」といいます。

実際にやると、たとえば1週間のアポイント件数や、売上や利益率を具体的に立てることで、「うまくいかない自分」が見えてきます。「今月の売上目標は300万円だったのに、これだけアポイントしてもダメだった……」と気づくことができますよね。

これは一見ネガティブなようですが、ものごとを具体的に考えることで状況を正しく認識することができる行為です。そして、重要なのは自己肯定感が高い状態でいること。そこからしっかりとPDCAを回すことができ、成功の可能性が高まっていきます。

夢に近づくためには、「いまの自分はこのくらい」と具体的に認識することが重要。そんな自分なりのセルフコーチングを続けていくことで、妄想は現実になります。

キャリアアップに必要な「勝負強さ」をつくる

いま新型コロナウイルスの流行を契機にリモートワークが増え、今後ますますオンライン上での仕事や、コミュニケーションの機会が増えていきます。そんな時代に、キャリアを構築するうえで必要になるのは、「メンタルを強くすること」だとわたしは考えています。

自分が欲しいと思ったものや、自分がやりたいと思ったこと、こんな結果を出したいと思ったことを手に入れられる「勝負強さ」が必要なのです。

そして、その勝負強さをつくり出すのが、まさに「自己肯定感」です。自己肯定感は、「(1)感情」「(2)ものごとのとらえ方」「(3)行動」という3つの要素に働きかけることで高められます

つまるところ、「(1)ポジティブな感情でいられるのか」「(2)プラス思考でとらえられるか」「(3)行動のアクセルを踏めるのか」が大事。

言い換えれば、「自分自身でなんとかする」という一人ひとりのセルフコーチングが必要だということです。この3つの要素に意識的であれば、いまの状態がどうであれ能力やスキルは自然と伸びていくでしょう。

ありきたりの「話し方テクニック」や「モチベーションアップ」などの方法では、もはや通用しない時代になっています。それよりも、それらのスキルを載せていくための、生きていく「土台」となる力をつくることが、いままさに問われているのではないでしょうか。

「思考は現実化する」といわれます。でも、ただ思うだけで現実化するのなら、どんな人でも夢を叶えているはずです。多くの人は思考を行動に移すときに、無意識にネガティブな感情にとらわれたり、行動についブレーキをかけたりしてしまっているのです。だから、どんな方法を取り入れても思考がいつまでも現実化しない。

大切なのは、まず(1)ポジティブな感情を持ち、(2)ものごとをプラス思考でとらえ、(3)勇気を出して行動するというサイクルを回していくこと。そのサイクルがあるからこそ、思考が「現実化」するのです。

構成/岩川悟(slipstream) 取材・文/辻本圭介 写真/玉井美世子

中島輝(なかしまてる)

心理カウンセラー、メンタルコーチ、トリエ代表、肯定心理学協会代表。5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、9歳ごろから、HSP、双極性障害、パニック障害、統合失調症、強迫性障害、不安神経症、潰瘍性大腸炎、斜視、過呼吸、認知症、円形脱毛症に苦しむ。25歳で背負った巨額の借金がきっかけでパニック障害と過呼吸発作が悪化。10年間実家に引きこもり、自殺未遂を繰り返すような困難な精神状況のなか、独学で学んだセラピー・カウンセリング・コーチングを実践し続ける。10年後、「恩師の死」がきっかけとなり35歳で症状を克服。その後、30年間の人体実験と独学で習得したメソッドを用いたカウンセリングとコーチングを24時間365日10年間実践。Jリーガー、上場企業の経営者など15,000名を超えるクライアントにカウンセリングを行い、回復率95%、6カ月800人以上の予約待ちに。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれ上場企業の研修オファーも殺到した。現在は、ニューライフスタイルを提案する資格認定団体「トリエ」を主催し、120以上のオリジナル講座を開発。

著書に『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』(ともにSBクリエイティブ)、『エマソン 自分を信じ抜く100の言葉』(朝日新聞出版)など多数。



『1分自己肯定感』(2020年:マガジンハウス)