日本テレビ系ドラマ『ハケンの品格』(毎週水曜22:00~)に、共同テレビ相談役の山田良明氏が出演することが24日、分かった。7月1日放送の第3話に登場する。
山田氏は、フジテレビで『101回目のプロポーズ』といったトレンディドラマや、『北の国から』『白線流し』などのヒューマンドラマを手がけた名プロデューサー。同局で常務取締役を務めた後、07年にフジ・メディア・ホールディングス傘下の制作会社・共同テレビ社長に就任し、現在は相談役となっている。
『ハケンの品格』プロデューサーの山口雅俊氏とは、フジ時代、ドラマ制作を担当する第一制作部(当時)で、山田氏が上司、山口氏が部下の関係だった。
共テレの社長を退いた後、「はて次は何をしようかと、例えばゴスペルとか、何かを始めたいと考えた時に、たまたま知り合いの役者さんと話す機会があって、その話の流れで、その方が主宰する俳優のシニア向けのワークショップに通い始めました」という山田氏は、18年に舞台『「新・幕末純情伝」FAKE NEWS』で、71歳にして俳優デビュー。
連ドラ初出演となる今回は、伊東四朗演じる社長・宮部蓮三の側近で、総務担当部長の小山田和正役を演じるが、「まさかドラマに出演するまでになるとは考えてもみなかったです」と驚く。
今回のオファーには「脚本の中園(ミホ)さん、プロデューサーの2人ともよく知っている人ですから…おそらく、『70歳を過ぎて俳優に転職した』ことを面白がって、お声がけしてくださったんだろうなと…(笑)。ただ、これほどの作品に出演することになるとは、当然思っても見ませんでしたが、気軽な気持ちで引き受けたのが間違いでした…」と苦笑い。
実際に現場に入り、「もう、『一体何年ドラマを作っていたんだ?』と自問したくなるくらい、現場に入ると頭の中が真っ白になってしまいました。自分が作っていた頃は役者さんに『どうしてできないの?』と思っていたことが、いざ自分がその立場になってみると、面白いぐらいに上手くいかない。セリフを覚えて、間違えないようにと思えば思うほど、体の芝居がそれに合わない。“表現”することの難しさを改めて感じました」とのこと。
そして、「傍で同じ演者として役者さんを見ていると、本当に素晴らしい。よくもまあ作り手の頃は指示なんて出せたものだと思いますし、心から尊敬しちゃいます。また、現場のスタッフの皆さんも、このような状況下で制約が多く、通常の2倍、3倍と労力がかかっているにもかかわらず、熱をもって制作にあたっている姿がとても印象的です」と感服した。
今作の見どころについては「前作から13年も経っているとは思えないほど篠原(涼子)さんも、小泉(孝太郎)さん、大泉(洋)さんも変わらないお姿で、なにより篠原さん演じる大前春子が変わらない。このような時代に、状況になっても変わらず生き続ける大前春子の姿に勇気をもらえる作品ですし、『ハケンの品格』らしいテンポの良い痛快な物語ですので、暗い出来事は一旦忘れて笑ってもらえたらと思います」とコメント。
その上で、「まさか自分がこの作品に出ることになるなんて思ってもみませんでしたが、70歳を過ぎて、あえて安定を取らず不安定な世界に身を投じることで感じられる喜び、できる表現があるのだと気づきました。私自身も微力ながら役に立てていればうれしいです」と話している。