JR西日本は6月社長会見にて、営業・輸送概況と利用者の安全・安心に向けた取組みについて説明した。都道府県をまたぐ全国の移動自粛が6月19日に解除される見込みであることを受け、「引き続きお客様に安全・安心をご提供できるよう取り組みを進めていきます」としている。

  • 近畿圏の鉄道利用は回復の兆しが見られるものの、山陽新幹線などの利用状況はまだそこまで回復していないという

運輸取扱収入(速報値)に関して、5月は対前年比27.9%だったが、6月に入ってから回復の兆しを見せ、6月14日までで対前年比47.8%に持ち直した。近畿圏の利用状況(速報値)は6月に対前年比58%まで回復したが、山陽・北陸新幹線と在来線特急列車はまだ対前年比2割前後までしか回復を見せていないという。

今期業績予想に関して、「合理的な算定が困難なため未定」としながらも、4月から6月末までの3カ月間における減収額は約1,500~1,600億円を見込んでいるという。「昨年度の第1四半期運輸収入が2,233億円であったことに照らして、極めて厳しい状況であることが明確」と説明する。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策として、分散乗車の促進に力を入れることも表明。山陽・北陸新幹線の普通車自由席や北陸・中国地方のおもな線区について、ウェブサイト、SNS、駅ディスプレイ等で混雑情報の提供を行う。朝夕時間帯の一部の特急列車についても、定期券があれば対象時間の普通車指定席を一律300円で利用できる「専用チケットレス特急券」を6月1日から販売している。

その他、特急車両への空気清浄機の搭載、換気・消毒等の実施を掲示物などで周知することなどにより、安心して列車を利用してもらえる環境づくりに努めるという。