三井化学はこのほど、福岡県の大牟田工場で原材料の搬入等に使用していた三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)の運行を5月7日で終了したと発表した。今後、ラストランイベントを予定しているという。

  • 炭鉱電車最終運行の様子

三井化学専用線の前身である旧三池炭鉱専用鉄道は、三池炭鉱大浦坑から石炭を搬出するため馬車鉄道として、1878(明治11)年に誕生。1909(明治42)年に電化され、1964(昭和39)年から1972(昭和48)まで市民の生活の足として旅客輸送も担った。1997(平成9)年の三井三池炭鉱閉山とともに路線の多くが廃止されたが、一部区間(1.8km)を三井化学専用線として残し、大牟田工場の原料の物流に活用してきた。

運行最終日には、これまで大切に整備を続けてきた三池港物流の関係者と長年活躍を続けた炭鉱電車に感謝を込めて花束贈呈を行ったという。運行終了後も思い出を残すため、「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」と題して炭鉱電車の音と映像を楽しめるようなコンテンツを製作しているとのこと。

  • 最終運行終了後の関係者による記念写真

なお、6月に予定していたラストランイベントは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で延期となったが、秋頃の開催をめざし、準備を進めている。