映画監督の三池崇史が、新型コロナウィルス感染症の影響により映像制作が困難となったフリーランスの映画監督・助監督を支援する「カチンコProject」を発足したことが5日、明らかになった。

  • 三池崇史監督

    三池崇史監督

同企画はコロナ禍中でのフリーランス映画監督の経済的不安な状況を打破するために行われる、賞金総額約2,000万円のコンテストとなり、5日より開催する。応募された企画は、日本映画業界を牽引してきた映画プロデューサーの審査により優秀企画賞等が選出され、賞金が贈られる。また今後はその支援の一貫として、応募された企画をリスト化し、新しい企画を求める製作者との橋渡しなど、映画化に向けた取り組みを支援していく。

新型コロナウィルス感染の影響により、映画業界では撮影など大人数を集める行為ができなくなるなどの打撃を受けている。その結果、フリーランスで活動する多くの監督や助監督の経済的状況は不安定になっており、出口もいまだに見えていない。また日本映画業界という観点では、経済的に困難となった監督が現場を離れ他職へ移ってしまうという「才能ある監督の映画業界離れ」が危惧され始めたことから、三池監督が発起人となってプロジェクトが誕生した。

応募対象者はフリーランスの映画監督・助監督で、応募内容は「今、あなたが撮りたい映画」の企画書。最優秀企画賞には賞金200万円(1本)、優秀企画賞には100万円(18本程度)が贈られる。コンテスト審査員には、上原寿一(フジテレビジョン)、臼井央(東宝)、紀伊宗之(東映)、北島直明(日本テレビ放送網)、小岩井宏悦(ワーナーブラザースジャパン)が名を連ねた。

発起人 三池崇史からの「同志であるフリーランスの監督・助監督」へ向けてのメッセージ

「withコロナ」
感染の恐怖。自粛社会の不安。
確かなことは、「しばらくは、元の場所には戻れない」
ということだ。

映画人も例外ではありません。

自粛要請を受け、撮影現場が停止し、
映画館も従来のような興行が行えず。
活動再開に向けて手探りはしてみるものの、その指先に触れるものはなにもない。
大きな船に乗る者はともかく、ひとり裸で泳ぐ者にとってはなす術なし。

いやしかし、このまま黙って沈むわけにはいかない。
泳ごう。なんとか進もう。でも、どっちへ・・・

あしたの映画のための企画発掘プロジェクトが始動します。
題して、『カチンコ Project』。

〜今、私はこんな映画を撮りたい!〜