JAF(一般社団法人日本自動車連盟)大阪支部では、気温と湿度が上昇する6月を前に、車内熱中症の危険性を呼びかけている。

  • 6月の熱中症で緊急搬送者数(左)、2019年5月1日〜9月30日における全国の緊急搬送者数(右)--「2019年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況(総務省消防庁)」

総務省消防庁によると、昨年の6月に熱中症で緊急搬送された人は4,151名だった。中でも大阪府は、全国最多の283名が緊急搬送されていた。また、昨年の5月1日〜9月30日の間に緊急搬送された人は、大阪府内だけでも5,182名にのぼる。

JAFが実施したユーザーテストでは、軽ワゴン車より大型SUV車の方が車内温度とダッシュボードの温度が高くなること、同じ車両で同じ気温なら、湿度が高いクルマの方が熱中症になりやすいことがわかった。

さらに別途実施した車内温度の検証テストによると、気温35℃の屋外に駐車した車内の熱中症指数(WBGT)は、窓を閉め切った状態でエンジン停止後、わずか15分で人体にとって危険なレベルに達した。クルマを日陰に駐車していたとしてもその車内温度の差はわずか約7度で、駐車場所にかかわらず外気温が高温である場合は注意が必要だ。

  • 気温35℃の屋外に駐車した車内の熱中症指数(WBGT-人体の熱収支に影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標)の推移

JAF大阪では、車内熱中症を防ぐためにも、まだ6月だから大丈夫と考えるのではなく、こまめな水分補給や冷房の利用など、真夏の屋外で行動する時と同じぐらい注意することが必要、と呼びかけている。