新型コロナウイルス感染症により、外出自粛が続き、ストレスを抱える人が増加傾向にあります。あるアンケートによると、ストレスを感じる、非常にストレスを感じると答えた人が約6割を占める調査結果がでています。適度なストレスはよいのですが、ストレスを強く感じると、暴飲暴食の原因ともなり、食生活が乱れることにもつながります。今回は、ストレスに負けないために必要な栄養素、おすすめのレシピをご紹介しましょう。

ストレスとは?

ストレスは、脳の下垂体から生成される副腎皮質ホルモンの分泌を促す内外の刺激であるストレッサーと、ストレッサーによって引き起こされる生体防御反応であるストレスの両方を指しています。ストレスの原因はさまざまで、悩み等の精神的なもの、寒冷、疲労等の身体的なものもあります。

適度なストレスは、人間の成長や能力を伸ばすためのよい刺激となり、必要なものといわれています。ストレスがまったくない状態では、つまらない人生になってしまったり、体温調節機能の低下がみられたり、暗示にかかりやすくなるなどの影響があることが明らかになっているからです。

しかし、過度なストレスは、マイナスの影響が大きく出てしまいます。ストレスに対する強さは個人によって異なり、マイナス思考タイプの人は、ストレスを強く感じる可能性が高くなります。性格や体質、環境や状況によってどのくらいのストレスに耐えられるのかは変わってきますので、工夫次第でストレスに強くなることもできるのです。 疲れやすい、全身がだるい、肩こり、めまい、睡眠障害、食欲不振などの体に症状があらわれたら自分がストレス状態にある可能性があります。

ストレス解消のためには、まず栄養バランスのとれた食事から

ストレスをプラスに変えるためには、健康な心を保ち、ストレス耐性を強めることが大切です。何事もきちんとやることは大切ですが、心のゆとりを持ち、前向きに考える習慣を身につけましょう。心身の健康を維持するためには、栄養のバランスがとれた規則正しい食生活を心がけましょう。

特にビタミン類やミネラル類はストレスと戦うために必要な栄養素です。抗酸化作用のあるビタミンCは、ストレス反応に必要はホルモンの生成に欠かせません。ストレスによって消耗が激しくなっていますから、たっぷりと摂るようにしましょう。緑黄色野菜や果物類、乳製品、豚肉、魚介類、大豆製品などを取り入れてビタミン類やミネラルを積極的に補うようにしましょう。

今回は、大豆製品である豆乳をプラスした、マイルドハッシュドビーフをご紹介しましょう。

ハッシュドビーフ
<材料>2人分
牛もも薄切り肉   150g
玉ねぎ     1/2個
えのきだけ   1パック
バター     大さじ1
塩、こしょう  適量
豆乳      1カップ
デミグラスソース1/3カップ
トマトケチャップ大さじ3
ご飯      お茶碗2杯分

<作り方>
1:牛もも薄切り肉は、3~4㎝幅に切る。玉ねぎは1㎝幅のくし形切りに、えのきだけは石づきを落として、食べやすい大きさに切る。
2:鍋を熱して、バターを溶かし、玉ねぎを強火で色づくまで炒める。牛肉とえのきだけを加えて、さらに炒め合わせる。
3:2に豆乳、デミグラスソース、トマトケチャップを加えて、中火で5~6分煮て、塩こしょうを加えて、味を調える。
4:ご飯を皿に盛り付け、3を盛り合わせたらできあがり。

<ポイント>
大豆製品である豆乳はたんぱく質が豊富な食材ですが、必須アミノ酸のトリプトファンを含み、感情を穏やかに保ち、ストレスを減らす働きのある神経伝達物質のセロトニンの材料となります。セロトニンは、ストレスを減らすだけでなく、十分に睡眠をとるためにも欠かせない成分です。トリプトファンを含んだ大豆製品を積極的に取り入れながら、バランスのよい食事、睡眠など生活リズムを整え、ストレスに負けない体づくりを目指しましょう。