医師のともはこのほど、新型コロナウイルス感染症が医療現場にどのような影響を及ぼしているのか調査をすべく、1,346名の医師を対象にアンケート調査を実施、結果を公表した。同調査は2020年5月1日〜5月6日、20代〜80代のMedPeer(メドピア)医師会員を対象に実施した。

  • 設問:新型コロナウイルス感染症の流行について、国内での終息はいつ頃になると思われますか

調査の結果、「2021年7月以降」との回答が圧倒的多数となった。2021年7月といえば、延期後の東京五輪と開催時期が重なっている。このまま新型コロナウイルス感染症が終息しなかった場合、五輪の無観客開催など通常とは異なる対応や、さらなる延期が求められてくるのかもしれない。

また、今回の結果では「2020年の夏頃までに終息する」という回答が少なかったが、経済的な打撃を考えると、緊急事態宣言をこれ以上延長するのは厳しい状況。大切なことは、緊急事態宣言が解除されたあとも、3つの「密」を避けることを中心とした「新しい生活様式」を継続することとなる。

以下に、各回答の中から一部抜粋して紹介する。

■「2020年6月〜7月」回答結果

・「4月末の時点で東京都での新規感染者数が明らかに減ってきたため、このままのペースでいけば、今回の第一波についてはあと1カ月程度で終息するように思う」(50代・脳神経外科・勤務医)

■「2020年8月〜9月」回答結果

・「順調に感染者が減少した場合、流行曲線から推測して、少なくとも残り3カ月程度はかかると考えられるため」(20代・一般内科・勤務医)
・「緊急事態宣言終了後もある程度自粛を心がければ終息可能」(50代・一般外科・勤務医)

■「2020年10月〜12月」回答結果

・「例年のコロナウイルスは、高温多湿に弱いと言われているため」(30代・耳鼻咽喉科・勤務医)
・「PCRを含め、抗原検査、抗体検査等を組み合わせて、感染者の可視化が十分行えるようになるから」(60代・神経内科・フリーランス)

■「2021年1月〜3月」回答結果

・「国民の70%以上が免疫を獲得するためにはワクチン接種が欠かせないが、ワクチンが出回るのは来年初頭と思うため」(70代・小児科・開業医)

■2021年4月〜6月」回答結果

・「第2波以降の感染増加は今後も起こり、それらが終息するには、全世界の流行状況からも最低1年はかかる」(60代・産婦人科・開業医)
・「コロナを恐れなくなる社会が来て、ワクチンが行き届き、アビガンが開業医で処方できるようになるのはこのくらいかかる」(40代・内科・開業医)

■「2021年7月以降」回答結果

・「ワクチンが出来たとしても、従来のワクチン対応と同じなら、日本国内ではそれほど早く承認されないだろうから」(60代・婦人科・勤務医)
・「無症状・軽症者などの隠れ感染者を拾い上げていないので、院内感染、家族内感染が持続する」(50代・一般内科・開業医)
・「自粛をすれば感染スピードは抑えられるが、経済活動や海外との渡航再開によって、さらなる感染が広がってしまう」(30代・小児科・勤務医)
・「終息せずに、新型インフルのように季節性インフルエンザとなって根付く可能性がある」(40代・麻酔科・勤務医)