BMWの日本法人であるビー・エム・ダブリューは「次世代車に関する意識調査」と題するアンケート調査を実施した。電気自動車(EV)などの次世代車普及に向けた意識調査で、対象となった600名のドライバー。調査の結果、次世代車に興味はあるものの、値段がネックとなり購入に踏み切れないドライバーが多くいることが浮き彫りとなった。

  • BMWのEV「i3」

    BMWが次世代車に関する意識調査を実施。環境にいいとされるクルマが欲しくても、無い袖は振れないというのが本音?(写真はBMWのEV「i3」)

この調査は、1カ月に1度以上自動車に乗る20歳~69歳の男女600名のドライバーを対象に、インターネットでアンケートを実施したもの。質問項目と回答は以下の通りだ。

乗りたいけど高い! 次世代のクルマ

「次に車の購入・買い替えをするときに重視する点」を聞いた選択式の問いには88.5%が「価格」と回答した。次いで「燃費」に74.5%、「ボディタイプ・サイズ・大きさ(積載人数、積載量)」に53.3%の回答が集まった。年齢軸でクルマ選びの基準を比較すると、若年層は「デザイン性」を重視する傾向にあり、年齢が高まるほど「安全性能」「環境性能」と答える割合が増えたそうだ。

「価格を気にしなくてよいとしたら、環境にやさしい車と一般的なガソリン車のどちらが欲しいか」という問いに対しては、73.8%が「環境にやさしい車」あるいは「どちらかというと環境にやさしい車」と回答。一方で、ガソリン車ドライバーに対し「『次世代車』に乗らない理由」を聞くと、最も多い回答が「車両本体価格が高いから」で48.3%だった。「ガソリン車に不満が無いから」という選択肢を選んだ人も32.6%いたという。

「次世代車」に魅力を感じないと答えた151人にその理由を尋ねると、最も多い回答は「車両本体価格が高い」で割合は55%だった。このスコア、ほかの選択肢と比較すると非常に高い比率だったそうだ。これらの結果から考えられるのは、次のクルマは次世代車にしたいと考えてはいるものの、価格がネックで購入に踏み切れないというドライバーが結構いるということだ。

「車の購入・買い替えを検討するときに、初期費用だけでなく、ランニングコストも含めて価格を比較するか」という質問に対しては、70.3%が「ランニングコストを詳細に検討する」と回答。ただ、年齢軸で比較すると、20代の42.5%は「ランニングコストはあまり検討しない」あるいは「ランニングコストについて考えたことが無い」と答えたという。20代の約9割が自動車の購入検討時に価格を重視すると答えているのに、ランニングコストに対する意識が薄い理由として、ビー・エム・ダブリューは「購入経験の少なさ」があるのではないかと分析している。

「『次世代車』に乗っている人に対するイメージ」については、75.8%が好感を抱いていてると答えた。個別の選択肢を見ると、最も多い36.8%が「経済的に余裕がある」、29.8%が「スマート」、27%が「先進的」という結果となった。

「今後乗りたいと思う車のエンジン機構」という質問に対しては、58.3%が「次世代車」もしくは「ハイブリッドカー」と回答。ガソリン車ドライバーに限ってみると約半の48.3%が次世代車もしくはハイブリッドカーへの乗り替えを希望していた。

一方、次世代車・ハイブリッドカードライバーでガソリン車に乗り替えたいと答えた人はそれぞれ4.9%、3.7%と極めて少なかった。次世代車ドライバーの87.7%は「今後も次世代車に乗りたい」と回答している。

「自動車から排出される大気汚染物質について」の知識を問う質問では、二酸化炭素(CO2)に対する理解・認知度は高かったもの、窒素酸化物(NOx)とPM(ススなどの粒子状物質)を正しく知っている人は各25.5%、22.8%と2~3割にとどまった。乗っているクルマのエンジン機構別に比較すると、次世代車・ハイブリッドカードライバーに比べガソリン車ドライバーの理解・認知スコアが低かった。