京阪電気鉄道は4月13日付で、鋼索鉄道事業の旅客運賃変更の認可申請を近畿運輸局長に提出したと発表した。

  • 京阪電気鉄道の鋼索線は昨年6月に車両デザインを変更。10月から通称を「石清水八幡宮参道ケーブル」とし、駅名も変更された

運賃改定の実施予定日は6月1日。認可されれば、現行の普通旅客運賃200円から300円に値上げされる。通勤・通学定期も同じ改定率(50%)で値上げとなり、通勤定期1カ月は3,600円から5,400円、通学定期1カ月は2,400円から3,600円にそれぞれ変更する予定。3カ月定期・6カ月定期も同様となる。

おもに石清水八幡宮への参拝者の輸送を目的に整備された鋼索線は、初詣や桜の季節を中心に多く利用されているが、輸送人員は1978(昭和53)年の69万1,000人がピークで、2018(平成30)年度は35万6,000人まで減少した。

こうした状況の中、2019年6月に巻上装置の制御装置や誘導無線、索条の更新など約1カ月の運転休止をともなう工事を実施。10月には駅名変更と駅舎美装化を行うなど、「従来からの慢性的な赤字状態」に加えて各施策の費用が増大しているという。これを踏まえ、「現行運賃のままでは赤字状態他の改善は見込めない状況」にあると判断。「今後も安全快適な輸送環境を安定的に維持」することなどを目的に、運賃を改定せざるをえないとして、利用者の理解を求めている。