きょう15日にスタートするフジテレビ系新バラエティ番組『突然ですが占ってもいいですか?』(毎週水曜22:00~ ※初回21:00~2時間SP)。“占い”と言うと「若い女性向けの番組では…」と敬遠する層もいるかもしれないが、実際に視聴してみると、どの世代も楽しめる“人間ドラマ”が描かれている。

  • (左から)水野美紀、沢村一樹、みちょぱ=フジテレビ提供

木下レオン、ぷりあでぃす玲奈、そして初回はゲッターズ飯田という人気占い師が、街中で一般の人たちに「突然ですが占ってもいいですか?」と声をかけ、本当にその場で占っていく同番組。テレビ番組での占いと言えば、『めざましテレビ』に代表されるような、運勢のいい星座をランキング形式で紹介するイメージだが、この番組は占った相手が見えるので、その人の人生が垣間見えるのが特徴となっている。

普通の街頭インタビューでは聞き出せないような家庭事情、職場事情、恋愛事情も、“占い”というフィルターを通すと、不思議と本音を話してくれるのが、実に興味深い。占い師に自らの過去や境遇をズバリ当てられた瞬間、ガードが一気に崩壊し、堰を切ったように語りだすのだ。

その語られる内容は、直前まで気の合う仲間と笑っていた姿からは想像できない、壮絶な人間ドラマが飛び出す。再現ドラマが挟まれることもなく、番組で流れるのは占い師と占われる人のやり取りだけなのに、スタジオで見守る沢村一樹は思わず「本当にドラマみたい」とうなり、水野美紀に至っては号泣する場面もあった。

また、スタジオの水野とみちょぱ(池田美優)はサバサバ系で一見、占いを信じなさそうなキャラクターなだけに、彼女たちがワイプの中で身を乗り出して興味を示す姿は、占いの説得力を大きく高める。さらに、占った後の現状報告もあり、“答え合わせ”をしてくれるのも誠実だ。

ちょうどこの番組の前の21時台には、テレビ東京で『家、ついて行ってイイですか?』が放送されている。こちらは、一般の人の家にお邪魔して、その人の意外なドラマを垣間見る番組だが、見ず知らずの番組スタッフを深夜に自宅へ招き入れる『家、ついて行ってイイですか?』に対し、勝手に占ってくれるというメリットの上に成り立っている『突然ですが占ってもいいですか?』は、取材のハードルが格段に低く、一つの発明とも言えるだろう。

しかし、この番組のロケは、居酒屋で飲んでいる人たちを直撃するスタイルがメインとなっており、新型コロナウイルスの感染が広がる現状では、実施不可能。単発で1回放送されただけの新番組であり、ストックもないことから、今後どのように番組を展開させていくのかも含め、注目していきたい。

  • 木下レオン

  • ぷりあでぃす玲奈

  • ゲッターズ飯田

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